第3講「①前置詞パターンの解き方」

それでは実際に問題を解いていきましょう。問題は以下のホームページを各自で参照してください。
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2016年英語過去問[人文学部(キリスト教学科・人類文化学科) 経済学部]

問28. 以下の文章が完成するように、空欄(  28  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
Sarah Chang is one of the most famous young musicians in the world. Chang is an American-born classical violinist (  28  ) Korean ancestry, and…
[語句] American-born(形)アメリカ生まれの / ancestry(名)祖先, 先祖
(A) of (B) in (C) on (D) at

まずは空欄を含む文章まで、英文を頭から読んでいきます。
第1文は語数こそ多いもののSVC第2文型です。

[第1文]
Sarah Chang is one of the most famous young musicians in the world.

(主語):Sarah Chang(サラ=チャンは)
(動詞):is(~である)
(補語):one(1人)
M(修飾語句):of the most famous young musicians in the world(世界で最も有名な若手音楽家の中の)

補語であるoneが長い句で修飾されているので分かりにくかったかもしれませんね。読解問題に出てくる英文は節や句の影響で、語数こそ多いものの、文の骨格は基本的なものです。
英文の処理能力を早めるためにも、まずは骨格であるSVOCを意識しながら読む練習をしましょう。

[第1文]
Sarah Chang is one of the most famous young musicians in the world.

(訳)サラ=チャンは世界で最も有名な若手音楽家の1人である。

それでは空欄を含む英文を検討していきましょう。

[第2文]
Chang is an American-born classical violinist (  28  ) Korean ancestry, and…

文頭のChangは第1文から若手音楽家の名前とわかりますね。次にis anbe動詞冠詞』が来たところで「S is C(名詞)の構文かな?」と予測します。
続くan American-born classical violinistと読んだところで、S is Cの第2文型であることが確信に変わります。そして、ここで空欄(  28  )が現れます。

ここまでを整理してみましょう。

Chang is an American-born classical violinist (  28  ) Korean ancestry, and…
(訳)チャンは韓国人の祖先(  28  )アメリカ生まれのクラシックバイオリニストである。そして…

…と、こんな感じでしょうか。どうやら、アメリカ生まれのバイオリニストであることと、韓国人の祖先をつなげるものが空欄28に入る語のようです。

ここまで把握したのち、初めて選択肢を確認します。

(A) of  (B) in  (C) on  (D) at

選択肢はすべて前置詞ですね。文法/語法問題ゼミと同じく、空欄補充問題でもすべての選択肢が前置詞であるものを『前置詞』パターンと呼びます。

前置詞パターンの解き方
前置詞パターンでは出題者の意図によって2種類の問題があります。

2通りの前置詞問題
1.句動詞イディオムを構成する特定の前置詞を選ばせる問題
[例] I’m looking (      ) her.
→句動詞look forより(      )にはforが入る

2.文脈に合う意味をもつ前置詞を選ばせる問題
[例]I am staying here (     ) a few days.
→文意より「数日間」という意味になるforを入れる

問題のタイプは2つに分かれていますが、解き方の手順は同じでなので安心してください。

[前置詞パターン解答ステップ]

1.構文的アプローチ
→文法/語法/構文の知識で選択肢を取捨選択する

選択肢から『前置詞』パターンだと判断したら、まずは空欄前後に特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします。これを構文的アプローチと呼んでいます。文法語法構文の知識で正解候補の選択肢をしぼる方法です。

この視点で問題文を見てみましょう。

Chang is an American-born classical violinist (  28  ) Korean ancestry, and…
[選択肢]
(A) of  (B) in  (C) on  (D) at

空欄を含む英文に、look forward to doing(~するのを楽しみに待つ)toのように、選択肢の中の前置詞と結びつくような語句はないですね。このような場合は次のステップに移ります。

2.文脈的アプローチ
→英文の内容に最も相応しい選択肢を選ぶ

特定の前置詞との組み合わせで使われる語句がない場合、もしくは正解候補が複数ある場合は、問題文の内容に最もふさわしい意味をもつ前置詞を選ぶという解法に切り替えます。これを文脈的アプローチと呼んでいます。

Chang is an American-born classical violinist (  28  ) Korean ancestry, and…
(訳)チャンは韓国人の祖先(  28  )アメリカ生まれのクラシックバイオリニストである。そして…
[選択肢]
(A) of  (B) in  (C) on  (D) at

選択肢の中で(A)ofを選びof Korean ancestryとすれば「韓国人を先祖に持つ」という意味になります。このofを「所属of」といいます。

このように、1つの前置詞が持つさまざまな意味の中から文脈にあった意味をもつものを選ぶ方法が前置詞問題の文脈的アプローチです。

[正解]
Chang is an American-born classical violinist of Korean ancestry, and…
(訳)チャンは韓国人の祖先をもつアメリカ生まれのクラシックバイオリニストである。そして…

問42も前置詞パターンで解ける問題です。練習で解いてみましょう。

問42. 以下の文章が完成するように、空欄(  42  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
(  42  ) a short period of time, Sarah Chang has gone from child prodigy to world star.
[語句] prodigy(名)神童
(訳)短い期間(  42  )、サラ・チャンは神童から世界のスターになった。
[選択肢]
(A) By (B) In (C) On (D) At

選択肢から瞬時に前置詞パターンであることが分かります。
まずは空欄前後に特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします[→構文的アプローチ]

[構文的アプローチ]
(  42  ) a short period of time, Sarah Chang has gone from child prodigy to world star.
空欄を含む部分に、選択肢のいずれかと結びつくような表現はありません(思いつかない)ので、前置詞それぞれがもつ意味を考えながら文脈で解くことにします

[文脈的アプローチ]
(  42  ) a short period of time, Sarah Chang has gone from child prodigy to world star.
(訳) (  42  )[(A)By「短い期間までに」(B)In短い期間のうちに(C)On「短い期間のときに(D)At「短い期間のときに]、サラ・チャンは神童から世界のスターになった。

若手演奏家であるサラ・チャンが神童から短い期間でスターになったという内容ですから、『時間の経過』を表し「~のうちに/~後に」という意味をもつ(B)Inが正解です。

まとめ
前置詞パターンは空欄補充問題で毎年出題されています。その中でも、文脈的アプローチで解くタイプの出題が多く目立ちます。

過去問で前置詞パターンの問題を解くたび、参考書で例文に当たって前置詞の用法を身につけましょう。

『前置詞』パターンの解法ステップ
1段階:他の語との組み合わせで前置詞を選ぶ〔構文的アプローチ
(構文的アプローチで正解が決まらない場合)
2段階:文脈に合う意味をもつ前置詞を選ぶ〔文脈的アプローチ

 

第2講「5つの頻出パターン」

今回からは過去問を解きながら空欄補充問題の解き方を学んでいきます。
教材には2018年の問題を使用したかったのですが、頻出分野が一通り網羅されていることから、2016年に人文学部(キリスト教学科・人類文化学科) 経済学部で出題された問題3を使用します。

お手数ですが問題文は各自で下記のホームページを参照してください。

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2016年英語過去問[人文学部(キリスト教学科・人類文化学科) 経済学部]

5つの頻出パターン
2016年人文学部(キリスト教学科・人類文化学科) 経済学部 問題3では
『文脈』『語法』『前置詞』『他動詞vs自動詞』パターンでの出題がほとんどを占めています。これらのパターンに『前置詞vs接続詞vs副詞』を加えた5つが空欄補充問題の5大頻出パターンです。本講座では過去問を利用して、この5つのパターンの解き方を身につけるのが目標にしています。

2016年人文学部(キリスト教学科/人類文化学科) 経済学部 問題3 出題パターン分類
問28前置詞
問29前置詞vs接続詞(vs副詞)
問30他動詞vs自動詞
問31文脈(接続詞)
問32他動詞vs自動詞
問33文脈(動詞)
問34他動詞vs自動詞
問35語法(副詞)
問36語法(動詞)
問37語法(動詞)
問38『関係詞』
問39『修飾』
問40他動詞vs自動詞
問41語法(動詞)
問42前置詞
※『関係詞』『修飾』からも出題されていますが、これらも文法/語法問題ゼミで覚えたテクニックで解くことができます。

次回からは実際に問題を解いていきます。
文法/語法問題ゼミを未習の方にも理解できるように解説しようと思いますが、あらかじめ以下の記事を読んでおくと理解しやすいのではないかと思います。

2018文法/語法問題ゼミ
♯2   『前置詞vs接続詞vs副詞』
♯3  他動詞vs自動詞』
♯6   語法』
♯12前置詞
♯16文脈』

第1講「空欄補充問題の基本戦略」

空欄補充問題の基本戦略
リスニング問題が課される外国語学部/国際教養学部以外では、空欄補充問題が大問で2つ出題され、合わせて23~28問を解かなくてはなりません。
文法/語法問題、長文読解問題の負担を考えると、入試本番で空欄補充問題に割ける時間は限られるので攻めどころ捨てどころを意識しながら合格ラインとされる7割を確保することが大事です。

攻めどころとは、過去問で頻出のパターンに当てはまる問題や、見た瞬間に問われている論点が理解できる問題です。

捨てどころとは、頻出パターンから外れ、解答の手がかりも思いつかないような設問、いわゆる『捨て問』のことを指します。このような設問は解けなくても合否に影響はしません。
合格に必要なのは、全体の8割を占める標準的な難易度の問題を確実に得点することで、自分の実力で解けない問題を素早く判断し、思い切って捨てる能力を磨くことも必要なのです。

文法/語法問題のテクニックが生かせる
空欄補充問題で出題される英文は300~400語あります。長文読解問題として扱う大学もあるほどの語数ですが、怖気づくことはありません。
空欄補充問題は2018文法/語法問題ゼミで解説したテクニックを生かせば効率的に解くことができます。
難しい構文も少ないので、物おじせず、早いうちから過去問に挑戦していきましょう。まずは文意を把握しながら過去問を1問ずつ丁寧に解いていく練習をします。始めはスピードを意識する必要はありません。この講座で学ぶ解き方どおりにやれば、過去問をこなすたびに解答速度は徐々にスピードアップしていきます。さらに、英文の構造を理解しながら読む練習にもなるので、長文読解問題攻略への足がかりにもなるでしょう。

出題傾向分析→『文脈』問題が頻出
今回の『空欄補充問題ゼミ』を執筆するにあたって、2016年~17年の空欄補充問題127+  問をすべて解き直し、出題パターンをまとめてみました。
『文脈』などの用語は、2018文法/語法問題ゼミで解説した、南山で出題される文法/語法問題の出題パターンを表しています。

■2016/2017年空欄補充問題パターン別出題数(全251問)
『文脈』                98
『語法』            52問
『前置詞』           36問
『他動詞vs自動詞』       24問
『前置詞vs接続詞vs副詞』    14問
その他(修飾/句動詞/構文/関係詞)        28問

出題形式を考えれば当然かもしれませんが、空欄補充問題では圧倒的に『文脈』問題が多く出題されていることが分かります。
その他の『他動詞vs自動詞』『前置詞vs接続詞vs副詞』 などでも、文法上の制約条件から選択肢を2つにしぼったあと、文意に沿ったものを選ばせるパターンが多いので、文脈を把握することが空欄補充問題攻略のカギになります

基本的な解き方
1.英文構造を意識しながら英文を読んでいく
文法/語法問題では、はじめに選択肢を見比べて出題パターンの判別を行いましたが、空欄補充問題では素直に問題文を頭から読んでいきます。このとき、注意することは英文の構造(SVOC)を意識しながら読むことです

2.文法的に正しい選択肢だけを残す
空欄を含む英文まで来たら、初めて4つの選択肢を確認します。選択肢の特徴から『語法』『前置詞』などのパターンを判別し、文法的に誤っているものを正解候補から除外します。これは、文法/語法問題ゼミで解説した構文的アプローチの手法です。

3.文脈から正しいものを選ぶ
構文的アプローチの結果、文法的に正しい選択肢が複数残った場合は文脈に合ったものを正解とします。このように文意に沿った選択肢を選ぶ方法を文脈的アプローチと呼んでいます。

空欄補充問題の解法手順
問題文を空欄まで読み進めたら、選択肢を見比べて何が問われているか大まかに推測し、以下の順番でアプローチする。
1. 構文的アプローチ…空欄前後の文法的要素から選択肢をしぼる
(選択肢が1つにしぼれなければ)
2. 文脈的アプローチ文脈に最も相応しい意味をもつ選択肢を選ぶ

空欄補充問題は正しい解き方を身につけて、過去問に取り組みながら必要な知識を補充していけば、必ず7割取れるようになります。この連載で解き方を身につけて過去問演習を積めば、本番では得点源になるでしょう。

文法/語法問題ゼミ(17)♯16『文脈』

文法/語法問題ゼミも今回が最終回になりました。最後まで、もうひと踏ん張りです。がんばりましょう。

『文脈』問題とは、今までに扱った出題パターンとは異なり、文法/語法上、誤りのない選択肢の中から文意にもっとも相応しいものを選ばせる問題をいいます。
選択肢の特徴としては、同種の品詞が並んでいることが多いのですが、色んな出題形式があるので、あまり先入観を持たない方が良いでしょう。

文法/語法問題の基本的な解き方として、今までは、選択肢の分類をしたあと、本文中に文法的なヒントを探し《構文的アプローチ》正解候補が複数あるときは文意に合う方を選ぶ《文脈的アプローチ》という方針で解いてきました。

今から学ぶ『文脈』パターンも基本は同じですが、問題文の文脈を読み取り、最もふさわしい語を選択肢から選ぶことがメインになりますので、文法や語法の知識よりも語彙力読解力が重視されます。

選択肢がすべて形容詞の場合
それでは、基本問題で『文脈』問題の解き方を学んでいきましょう。

[例題1]2015外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ、フランス、ドイツ、アジア学科) 法学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Larry always comes to work late. If he is not more (      ), he may lose his job.
(A) accurate
(B) conscious
(C) punctual
(D) strict

『文脈』問題でも、取り掛かる時の手順は今までと同じです。まずは選択肢の分類を行いましょう。

《選択肢の分類》
(A) accurate形容詞「正確な」
(B) conscious形容詞「意識している」
(C) punctual形容詞「時間を守る」
(D) strict形容詞「厳しい」

『正確性』に関する形容詞が多いので、まずは形容詞の『語法』問題である可能性を考えつつ、構文的に解けないかチェックします。

《構文的アプローチ》
Larry always comes to work late. If he is not more (      ), he may lose his job.

『語法』問題であるならば、ヒントは赤字のifにあるはずですが、(A)~(D)すべてに叙述用法があるので、文法/語法的にすべて正しく、ここから正解は選べません

この問題のように、問題文から文法/語法上のヒントを得られないとき(=すべてが文法的に正しいとき)はすぐに頭を切り替えて、文脈からふさわしい語を選ぶ方針に変更します。これを文脈的アプローチによる解法と呼びます。

《文脈的アプローチ》
問題文を和訳していきましょう。

Larry always comes to work late. If he is not more (      ), he may lose his job.
(訳)ラリーはいつも仕事に遅れて来る。もっと(      )でないならば、仕事を失うかもしれない。

ラリーは常に仕事に遅刻しているのですから『時間の』正確性を話題にしていると考えられます。よって、選択肢の中から文意に沿うのは(C)punctual(時間を守る)です。

[正解]
Larry always comes to work late. If he is not more (      ), he may lose his job.

(訳)ラリーはいつも仕事に遅れて来る。もっと[ (A)正確, (B)意識的, (C)時間を守る, (D)厳しく]でないならば, 仕事を失うかもしれない。

このように文脈的アプローチによる解法は、文法的に攻略できない問題の第2段階として行います
『文脈』パターンという名称は、文脈的アプローチがメインになった問題のことを便宜的に分類しているだけです。

過去問をこなしていけば実感できますが、南山英語では文脈的アプローチでなければ解けない文法/語法問題が非常に多いです(厳密には『文法/語法』問題ではないのですが…)

『文脈』パターンは語彙力読解力がメインなので、文法/語法問題集をどれだけやりこんでも解けるようにはなりません。
多い時は20問中、5問ぐらいが文脈問題だったりするので、英語に自信のある受験生でも、南山の文法/語法問題では意外に得点できなかったりします。
南山英語にはクセがある』と言われる所以はこのようなところにも一因があるのかも知れません。

選択肢がすべて動詞の場合

[例題2]2015外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ、フランス、ドイツ、アジア学科) 法学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
One of the most important things that you can do in life, Ronnie, is to (      ) an education.
(A) acquire
(B) realize
(C) achieve
(D) accomplish

文脈的アプローチによる解法練習のために選んだ問題ですが、まずは構文的に解けないかを検討していきます。

《選択肢の分類》
(A) acquire他動詞「~を身につける」
(B) realize他動詞「~を実現する」
(C) achieve他動詞「~を成し遂げる」
(D) accomplish他動詞「~を成し遂げる」

選択肢はすべて『達成』に関する他動詞ですね。まずは『語法』問題の可能性を調べるため、本文をチェックします。

《構文的アプローチ》
One of the most important things that you can do in life, Ronnie, is to (      ) an education.

空欄に入る他動詞は目的語を1つ(an education)とるだけなので、語法問題ではなさそうです。
すべて文法的には正しいので、すぐに文脈からアプローチする方針に切り替えましょう。

《文脈的アプローチ》
One of the most important things that you can do in life, Ronnie, is to (      ) an education.
(訳)ロニー、人生において君ができる最も大事なことの1つは、教育を(      )することだよ。

空欄に入るべき動詞の目的語がan education『教育』です。
『教育』とは(B)実現したり、(C)達成したり、(D)成し遂げるものではなく、(A)「身につける」ものなので(A)acquireが最適です。

ロングマン英英辞典にacquireは『to gain knowledge or learn a skill(知識を得たり、技能を習得すること)』と書いてあります。知識や技能を身につけるイメージですね。

選択肢がすべて副詞の場合

 [例題4]2016人文学部(キリスト教学科・人類文化学科) 経済学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを, (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Scientists believe that the Milky Way galaxy contains (      ) 100 billion stars.
(A) closely
(B) approximately
(C) significantly
(D) measurably

《選択肢の分類》
(A) closely副詞「密接に」
(B) approximately副詞「おおよそ, 約」
(C) significantly副詞「有意義に」
(D) measurably副詞「測定可能に」

今回はすべて副詞です。まずは構文的アプローチで解けないか問題文の構文をチェックしてみます。

《構文的アプローチ》
Scientists believe that the Milky Way galaxy contains (      ) 100 billion stars.
副詞が入るべき空欄前に動詞contains, 後ろには数詞100 billionがあります。副詞は動詞や形容詞(数詞も含む)、副詞、文全体を修飾します。選択肢は文法的にはすべて正しく、正解をしぼれないので、文脈的アプローチに切り替えます。

《文脈的アプローチ》
Scientists believe that the Milky Way galaxy contains (      ) 100 billion stars.
(訳)科学者たちは、天の川銀河には(      )1000億の星が含まれていると考えている。
空欄は100 billionという大きなを修飾していると考えられるので, (B)approximatelyおおよそ,」が適切です。

(A)はcloselyではなくclose toなら「~近く」という意味で空欄に入ることができます。

Scientists believe that the Milky Way galaxy contains close to 100 billion stars.
(訳)科学者たちは, 天の川銀河には1000億近くの星が含まれている考えている。

選択肢がすべて名詞の場合

[例題5]2016外国語学部(英米学科)・総合政策学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Takashi gave me some useful (      ) about job hunting.
(A) opinion
(B) suggestion
(C) advice
(D) recommendation

本問もまず選択肢の分類をしてみます。

《選択肢の分類》
(A) opinion名詞「意見」
(B) suggestion名詞「提案」
(C) advice名詞「助言」
(D) recommendation名詞「推薦」

選択肢はすべて名詞で、意味の近い語が並んでいますね。
似たような意味のものがあるときは、まず語法』問題の可能性を考えます。

《構文的アプローチ》
Takashi gave me some useful (      ) about job hunting.

空欄あとのaboutにつながる語法をもつ選択肢が1つであれば話は早いのですが、残念ながら、すべての選択肢aboutにつながることができます。
文法/語法的なアプローチがだめなら、すぐに文脈的アプローチに切り替えます。

《文脈的アプローチ》
Takashi gave me some useful (      ) about job hunting.
(訳)タカシは仕事探しについて有益な[(A)意見, (B)提案, (C)助言, (D)推薦 ]をいくつか私にくれた。

求職中に役立つのは友人の意見提案よりも役に立つアドバイスですから, (C)advice助言」が適切です。

最後は選択肢がすべて前置詞の場合です。『前置詞』パターンでも、語法の知識で解けない問題は、文脈に相応しい意味をもつ前置詞を選びます《文脈的アプローチ》

『句動詞』『前置詞』パターンは文脈問題の1形態

[例題3]2015外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ、フランス、ドイツ、アジア学科) 法学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
When he was younger, John got very little exercise. Then, at the age of 50, he (      ) tennis. He is quite a good player now.
(A) took up
(B) took out
(C) took over
(D) took in

選択肢を眺めると、今回は「take前置詞[副詞]」からなる句動詞が並んでいますね。「これは『句動詞』パターンでは?」と思ったかた、正解です。実は句動詞パターンは文脈問題の特殊な形です。基本動詞が共通なので、見かけは似ていますが、個々の句動詞がもつ意味はまったく違います。ネイティブから見たら「これが大学入試の問題なの?」って感じでしょう。

《句動詞パターン解答法》
1.大まかな内容を把握する
When he was younger, John got very little exercise. Then, at the age of 50, he (      ) tennis. He is quite a good player now.
(訳)若いころ、ジョンはほんの少ししか運動をしなかった。それで、50歳のときテニスを(      )。今ではとても上手である。

2.選択肢の意味を把握する
(A) took up「(時間・場所など)を占める/(趣味などを)始める」
(B) took out「(食べ物)を持ち帰る」
(C) took over「~を引き継ぐ」
(D) took in「~を吸収する」

3.選択肢の中から文意に最もふさわしいものを選ぶ
When he was younger, John got very little exercise. Then, at the age of 50, he (      ) tennis. He is quite a good player now.
(訳)若いころ、ジョンはほんの少ししか運動をしなかった。それで、50歳のときテニスを[ (A)始めた, (B)持ち帰った, (C)引き継いだ, (D)吸収した ](      )。今ではとても上手である。

選択肢の訳語を当てはめていくと、答えは一目瞭然ですね。ただし、このように解けるのは句動詞パターンに対して、きちんと準備した受験生だけということをお忘れなく。

[例題6]2016経営学部・理工学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Please pay for your purchases (      ) the cash register over there.
(A) at
(B) on
(C) in
(D) to

選択肢がすべて前置詞の場合は、まず空欄前後に前置詞とセットで使われる語がないかチェックします。例えば、
She is looking forward (      ) the concert.
という文の空欄に前置詞を入れる場合、look forwardとセットで使われるtoが入ります。

《構文的アプローチ》
Please pay for your purchases (      ) the cash register over there.

自動詞payforと結びついているので、空欄との相関関係はなさそうです。すぐに頭を切り替えて、文脈からアプローチします。

《文脈的アプローチ》
Please pay for your purchases (      ) the cash register over there.
(訳)あそこのレジ(      )買い物の支払いをしてください。

支払いをするのは、レジという店の中の1点ですから『場所の1点を表す』(A)atが適切です。

まとめ
『文脈』問題は、選択肢から分類されるパターンではなく、文法/語法の知識だけでは正解が1つに定まらない問題のことを言います。
『構文的アプローチ』『文脈的アプローチなどと大仰な名称をつけて解説してきましたが、難しく考えず、要は「文法/語法の知識で駄目なら内容に合う選択肢を選ぼう」ということです。

2017年の問題を解いてみよう
外国語学部(英米学科)・総合政策学部では様々な品詞の『文脈』問題が出題されています。句動詞問題を含めると20問中、5問が文脈問題でした。

2017外国語学部(英米学科)・総合政策学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
My car is not working properly, so I’m going to take it to the car dealer to get (      ) of the cost to fix it.
(訳)私の車がうまく動きません。それで、修理費用の見積もりをもらいに車をディーラーにもって行く予定です。
(A) a judgement
(B) an evaluation
(C) a measurement
(D) an estimate
[解説] 文脈問題『名詞』
選択肢はそれぞれ、(A)judgement「判断」(B)evaluation「評価」(C)measurement「測定(すること)」(D)estimate「見積もり」という意味です。
空欄のあとにof the cost to fix it(車を直すための費用の…)とあるので、正解は(D)estimate(見積もり)です。
2017外国語学部(英米学科)・総合政策学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Scott (      ) the urge to eat the last piece of pie.
(訳)スコットはパイの最後の一切れを食べたいという衝動に(      )した。
(A) resisted
(B) challenged
(C) held
(D) ended
[解説] 文脈問題『動詞』
選択肢はそれぞれ(A)resist「~に抵抗する」(B)challenge「~に挑戦する」(C)hold「~を持っている」(D)end「~を終わらせる」という意味です。
食べたいという衝動を抑えるという意味ですから(A)resist(~に抵抗する)が最適です。
[語句] urge to do「~したいという衝動」
2017外国語学部(英米学科)・総合政策学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
The security guard at the airport was very (      ) when he searched all our bags.
(訳)私たちのすべての鞄を検査するとき、空港の警備員はとても(      )だった。
(A) extensive
(B) absolute
(C) thorough
(D) complete
[解説] 文脈問題『形容詞』
選択肢はそれぞれ(A)extensive「広範囲の」(B)absolute「完全な」(C) thorough「徹底的な」(D)complete「全部の, 完全な」という意味です。
空港におけるセキュリティーチェックの場面ですから(C)thorough(徹底的な)が最適です。
[語句] search(他)(場所)を捜すsearch for A「A()を捜す」
2017外国語学部(フランス学科, アジア学科)・経済学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、 (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
It is a (      ) occurrence in Japan for people to leave their umbrellas on the train.
(訳)電車に傘を忘れることは、日本では(      )な出来事だ。
(A) common
(B) popular
(C) general
(D) simple
[解説] 文脈問題『形容詞』
選択肢はそれぞれ(A)common「共通の, ありふれた」(B)popular「人気のある, 大衆的な」(C)general「全体的な」(D)simple「単純な」という意味です。正解は(A)common(共通の, ありふれた)です。
[語句] occurrence(名)出来事, (事件などが)起こること
2017人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、 (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Ichiro has (      ) a new company to make Hawaiian shirts.
(訳)イチローはハワイアンシャツを製造するための新しい会社を(      )。
(A) assembled
(B) formed
(C) constructed
(D) produced
[解説] 文脈問題『動詞』
空欄後に目的語a new companyがありますが、選択肢はすべて他動詞なので『他動詞vs自動詞』で選択肢はしぼれません。
それではSVO to do『語法』をもつ動詞を問われているのかといえば、to make Hawaiian shirtsは不定詞の形容詞用法ですので、動詞の語法でもなく、結局単なる語彙の問題です。
選択肢はそれぞれ(A) assemble「~を集める, ~を組み立てる」
(B)form「~を形作る, ~を結成する」(C)construct「(建物など)を建設する」(D)produce「~を製造する, ~を生じさせる」という意味ですので、(B)formed(~を結成する)が正解です。
なお、(C)constructは「建造物を作る」という意味ですので、会社組織を作る場合には不適です。