「2018年合格目標」カテゴリーアーカイブ

誤り指摘問題で文法を学ぼう(14)

下線部を見て論点を推測しよう(4)
今回も下線部とその前後から論点を推測する練習をしていきましょう。

 [例題]2016経営学部・理工学部(A方式)
以下の文の下線を付けた語(句)のうち, 一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
The Metropolitan Museum of Art (A)was founded in 1870, in New York. Ten years (B)later, the museum (C)moved to Central Park, (D)which it remains today.
訳)メトロポリタン美術館は1870年にニューヨークに設立された。10年後、セントラルパークに移設し、そのまま現在に至っている。

下線部(A)の論点
The Metropolitan Museum of Art (A)was founded in 1870, in New York.
訳)メトロポリタン美術館は1870年にニューヨークに設立された。

まず下線部(A)ですが、ここで気になるのはfoundedという過去分詞です。
これはfind(~を発見する)の過去分詞ではなくfound(~を設立する/創立する)という動詞の過去分詞です。基本動詞なのでこれを機会に覚えてしまいましょう。

find, foundの活用変化は、それぞれ次の通りです。紛らわしいので注意が必要です。

findfound(過去形)found(過去分詞)
foundfounded(過去形)founded(過去分詞)

[例] The missing boy has not been found yet.
(その行方不明の少年はまだ見つかっていない)
[例] The World Bank was founded in 1944.
(世界銀行は1944年に創設された)

改めて問題文を見てみましょう。

The Metropolitan Museum of Art (A)was founded in 1870, in New York.
訳)メトロポリタン美術館は1870年にニューヨークに設立された。

メトロポリタン美術館は1つしかないので単数、また設立されたのは1870年なので時制は過去形になります。
よって下線部(A)はwas foundedで正しい表現です。


下線部(B)の論点

Ten years (B)later, the museum (C)moved to Central Park…
訳)10年後、セントラルパークに移設された

下線部(B)は副詞句ten years later中の副詞laterに引かれています。
later を見て思い出して欲しい論点は時の経過に関する表現の使い分けです。

時の経過に関する表現
later「その~後」
in ~「今から~で[の後に]/~経つと」
after ~「~の後に」
within ~「~以内に/~の間に」

①過去の文脈で「その~後」という場合には~ laterを用いるが、現在を起点にして「今から~後」という場合にはin ~を用い、laterは用いない。
②「~後に」の意味ではinは未来に、afterは過去に用いることが多い。
③「~以内に」の意味を強調したい場合はwithinを用いる。

I called her two days later.
(その2日後に彼女に電話した)
He will come back in a week.[未来]

(彼は1週間経てば[で/後に]戻って来るよ)
I came back after an hour.[過去]
(1時間後に戻って来た)
I’ll be back in [within] an hour.

(1時間したら[以内に]戻ります)

以上の知識を元に、再び下線部(B)の箇所を見てみましょう。

Ten years (B)later, the museum (C)moved to Central Park…
訳)10年後、セントラルパークに移設された

美術館が設立された過去を起点に10年が経過した後のことを話題にしているのでlaterを用いるのが適切です。よって下線部(B)は正しい表現です。

下線部(Cの論点
Ten years (B)later, the museum (C)moved to Central Park…
訳)10年後、セントラルパークに移設された

文法/語法問題でmoveという動詞を見たら注意してください。意外な意味をもつ多義語なので正しい語法で使われているかが論点になるのです。

move [他](人)を感動させる人の心を動かす
[他] ~を動かす
[自]引っ越す(from/to,in,into), 動く

I was deeply moved by his story.
(私は彼の話に深く感動した)
I moved the furniture upstairs in pieces.
(私は家具を分解して2階へ運んだ)
Our family will move to Florida next year.
(私たちの家族は来年フロリダに引っ越す予定だ)

改めて問題文を見てみましょう。

Ten years (B)later, the museum (C)moved to Central Park
訳)10年後、その美術館はセントラルパークに引っ越した

下線部(C)のmovedは前置詞toの目的語にCentral Park(地名)をとるので「(~に)引っ越す」という自動詞の用法です。
以上のことから下線部(C)も正しい表現です。

下線部(D)の論点
Ten years later, the museum moved to Central Park, (D)which it remains today.
訳)10年後、セントラルパークに移設し、そのまま現在に至っている。

下線部(D)はwhichに施されています。直前をカンマで区切られているので外見的には関係代名詞whichの非制限(継続)用法のように見えますが、先行詞とおぼしきCentral Parkが地名であるのでちょっと違和感を感じて欲しいところです。

Ten years later, the museum moved to Central Park, (D)which it remains today.

関係代名詞whichの非制限用法であるならば、関係詞節において主語目的語の働きをしているはずですがwhich以下のit remains todaySVM(修飾語)の第1文型ですので主格/目的格となるwhichは不適です。

関係詞節は、

it〔= the Metropolitan Museum of Art〕remains in Central Park today

を書き換えたものですからin Central Parkという副詞句は関係副詞で置き換えられwhereとなります。
よって下線部(D)は誤りで正しくは以下のようになります。

Ten years later, the museum moved to Central Park, where[×which] it remains today.
訳)10年後、その美術館はセントラルパークに移設し、現在もそこにある。


補足
(5月23日)
関係詞の非制限(継続)用法に関してもう1問紹介しておきます。

 [例題2]2016人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
以下の文の下線を付けた語(句)のうち, 一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Brazil is the (A)largest Latin American country, with a population of (B)more than 200 million, (C)×after is [→followed by] Mexico. Its capital is Brasilia, (D)which is the fourth most populous city in the country.
訳)ブラジルはラテンアメリカ最大の国で、2億人以上の人口を持ち、次にはメキシコが続きます。首都はブラジリアで国内で4番目に人口の多い都市です。
[解説]前置詞(接続詞)afterの後に述語動詞beをおくことはできないので下線部(C)が誤り。正しくは分詞構文を用いてfollowed byとする。

下線部(D)は、前回と同じく関係代名詞whichの非制限(継続)用法の姿をしていますね。先行詞は場所(Brasilia)ですが、関係副詞whereが入らないのはなぜでしょうか?

場所を表す語が先行詞でも関係詞が常にwhereになるとは限りません。関係詞節の中で副詞の働きをするのか、名詞の働きをするのかwhichwhereになるかが決まります。

whichwhereか?
関係詞節中での働きが…
代名詞(主語/目的語)which(関係代名詞)
副詞where(関係副詞)

[例題1]
Ten years later, the museum moved to Central Park, where it remains today.
(10年後、その美術館はセントラルパークに移設し、そのまま現在に至っている)
関係詞節は先行詞Central Park(=there)がなくてもSVが揃った完全な文になっていることを確認してください。

[例題2]
Its capital is Brasilia, which is the fourth most populous city in the country.
(その首都はブラジリアで、(それは)国内で4番目に人口の多い都市です)
関係詞節の中で先行詞Brasilia(=the city)主語の働きをしていますから、場所が先行詞でも関係代名詞whichが使われています。