(6)時制

頻出論点(6)時制
頻出論点(2)で取り上げた「完了形」と若干重複する分野ですが、下線部の時制に誤りが含まれていた問題が2019年には25問中、7問出題されていました。

この「時制」と、次回解説する主述の一致は英作文を行う際の重要なルールです。ここから、誤り指摘問題は採点上の制約から実施困難な和文英訳(英作文)問題の代替として出題されていると推測できます。

1.まずは時制を表す語がないかチェックしよう

[例題1]2019人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Last year, the Japanese government (A)is finally starting to change the high school English curriculum, (B)hoping that the new program (C)will produce students (D)who have a high level of English.

本問では、すべての下線部に動詞が含まれており、「時制」を解説するにはうってつけの例題と言えます。
時制があっているか確認する場合、まず時制を表す語がないかをチェックしましょう。

時制を表す語句
1.過去yesterday(昨日)/last year[month](昨年[先月])/~ago(~前に)/whenS V(過去形)(~した時)/just now(たった今)
2.現在完了for ~(~の間)/since ~(~以来)/already(すでに)/ever(かつて)
3.未来完了by next week[month](来週[月]までに)
例題1 [解答] (A)is finally startingfinally started
(訳)昨年、日本政府はついに高校英語のカリキュラム改訂を始めたが、これは新しいプログラムが英語能力の高い水準の学生を生み出すことを望んでいる。
[解説] 本問では全ての下線部分に動詞が含まれています。(A)では現在進行形(C)では未来形(D)では現在形と、異なる時制が扱われているので時制に関するキーワードに注意しながら英文を検討しましょう。
すると、さっそく文頭にLast year(昨年)という過去を表す語が登場しています。
[下線部
(A)を検討する]
Last year, the Japanese government (A)is finally starting to change the high school English curriculum…
(訳)昨年日本政府はついに高校英語のカリキュラム改訂を始めつつある
Last year(昨年)のことを述べるはずの文で、現在進行形(is finally starting)が使われているので、ここが誤りです。正しくは過去形にします(→finally started)。
下線部(B)のhopingは分詞構文で正しい形です。
他動詞hopeは目的語となるthat節内で現在時制/未来時制が使用可能なので下線部(C)も正しい形です。
下線部(D)のwhoは主格の関係代名詞で先行詞がstudents(複数)なので、動詞はhaveで合っています。
[例題2]2019人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・経営学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Saori (A)has lived abroad when she was a child. (B)While there, she met Megan who became one of her best friends. They (C)have known each other (D)ever since.
例題2 [解答] (A)has livedlived
(訳)サオリは子供の頃、海外に住んでいました。そこで彼女は親友の1人になるメーガンに出会いました。それ以来、彼らは知り合いです。
[解説] 本問は時制というより完了形論点で、下線部(A)(C)が該当します。時制論点以外の、(B)While (she was) there(D)ever sinceは細かい論点で、うろ覚えの人も多いかもしれませんが、頻出の論点である時制(完了形)を理解していれば正解を導くことができます。
本問では下線部(A)has lived abroadのあとに過去の時を表す副詞節when she was a childとあるので、現在完了has lived→過去時制livedと訂正します。

2.文法知識で判断する

[例題3] 2019総合政策学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Jason (A)is belonging to the basketball club. He practices once (B)every two or three days at school and also (C)does weight training at home to get stronger. Next week he (D)will participate in his first game.

本問では下線部に現在時制[(A)(C)]未来時制[(D)]が登場していますが、中でも(A)is belonging to進行形になっています。このbelongは受験英語で頻出の動詞でbelong to Aで「(人が)A[団体/組織など]に所属している」という状態を表します。

例題3 [解答] (A) is belonging to belongs to
(訳)ジェイソンはバスケ部に所属している。彼は2,3日に1度学校で練習して、さらに強くなるために家でもウェイトトレーニングをしている。来週、初めての試合に参加する予定だ。
[解説] 文法/語法問題や空欄補充、誤り指摘問題でbelongが登場したら思いだして欲しい論点が2つあります。
belong自動詞なので「~に所属する」という場合は、前置詞toを伴う
belongは「所属している」という状態を表しているので進行形にはならない
本問は②の文法知識を思い出せれば、問題文を最後まで読まなくても解ける問題でした。ちなみに下線部(D)は文頭に時制(未来)を表す語Next week(来週)があるので、未来形でOKです。

3.前後の文脈から時制を判断する
時制を表す語句や、時制に関する文法事項が見つからない場合は前後の文脈から時制の適否を判断します。

[例題4] 2018人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・経営学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Bill (A)ought to arrive in Nagoya (B)by now. He (C)took the Nozomi bullet train (D)which departed from Tokyo at six o’clock.
例題4 [解答] (A) ought to arrive ought to have arrive
(訳)ビルは今頃、名古屋に着いているはずだ。東京を6時に出発したのぞみ号に乗ったんだから。
[解説] 本問では下線部(B)を除いて動詞を含んでいます。なんとなく怪しい(A)ought to arrive助動詞(ought to do)、(D)which departed from関係詞(which)もしくは語法(depart from ~)に誤りが含まれていそうです。誤りが時制とは限りませんが、これらに留意しながら検討していきましょう。
[第1文]
Bill (A)ought to arrive in Nagoya (B)by now.
助動詞ought to doは「~すべき」、by nowは「今頃は」という意味ですから、「ビルは今頃、名古屋に到着すべきである」というちょっと意味不明な意味になります。
[第2文]
He (C)took the Nozomi bullet train (D)which departed from Tokyo at six o’clock.彼は6時に東京を出発したのぞみ号に乗りました
take
乗物で「~に乗って行く」という意味です。下線部(D)whichは主格の関係代名詞で先行詞が(the Nozomi bullet train)ですから正しい用法です。さらに「~から出発する」という用法でdepartは助詞fromを用いるので(D)に誤りはなさそうです。
始発に近い新幹線に乗ったのだから、「到着すべき」というより「(もう)到着しているはず」と表現するべきでしょう。よって、誤りは(A)ought to have arriveとすれば「到着しているはずだ」という意味になります。

類題

[問題1]2019人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
A: Are you (A)done with the math assignment? It looks (B)difficult to me.
B: No, I’m not, but I (C)have finished it by next Monday. (D)Why don’t we work together?
問題1 [解答] (C)have finishedwill have finished
(訳)A: 数学の課題は終わった?私には難しそうです。
B: ううん、私もです。でも、次の月曜日までには終えるつもりです。いっしょにやりませんか?

[解説] 始めに、下線部(A)のdoneは叙述用法の形容詞で「終わった、済んだ」という意味で正しい用法です。
下線部(B)difficult to me はちょっと細かい論点で、It is difficult …と言う場合は前置詞forがきますが、本問ではIt looksなのでto meで正解です。これは知らなくても合否に大きく影響しません。
本問では、下線部(C)have finished(現在完了)時制の論点になっていますが、直後にby next Monday(次の月曜日までに)という未来の期限を表す語があるので、未来完了とし、will have finishedするのが正解です。
[問題2]2018人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
A: It took Jane six hours (A)to drive back from Kobe.
B: (B)That long? She (C)must be exhausted (D)by the time she got home.
問題2 [解答] (C)must bemust have been
(訳)A: ジェーンは神戸から車で帰って来るのに6時間かかりました。
B: そんなに長く?帰宅したときまでには疲れ切っていたに違いないね。

[解説] by the timeSVで「SがVするまで」という意味なので、(D)by the time she got homeという節は過去のことを表しています。
よって主節も過去形とするのが自然なので、must be(現在形)→must have been(過去形)と訂正します。
[語句] must have+過去分詞「~したに違いない」
[問題3] 2009法学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Tom pretended not (A)to see us and passed (B)by without (C)speaking, so I thought he (D)is angry with me.
問題3 [解答] (D) iswas
(訳)トムは私たちを見ないふりをして、何も話さずに通り過ぎました。それで、私は彼が私に対して腹を立てているのだと考えました。
[解説] 本問は「2.文法知識で判断する」パターンです。文後半にある下線部(D)は時制の一致によりiswasとします。
[語句] pass by「通り過ぎる」/ without doing「~しないで」
[問題4] 2016人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・経済学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Ireland was the first nation (A)to pass a law intended to (B)have reduced the use of plastic bags. In 2002, (C)all plastic grocery bags had a tax (D)imposed on them.
問題4 [解答] (B) have reduced reduce
(訳)アイルランドはプラスチックで作られた袋の使用を減らすことを目的とした法案を通過させた最初の国です。2002年、すべてのレジ袋が課税されました。
[解説] 本問では(A), (B)の下線部はto不定詞に施されています((B)ではtoに下線が引かれていません)。同じ文法事項の箇所に下線が引かれているときは、そこを重点的に検討する必要があります。
[第1文]
原文のとおりに直訳してみます。
Ireland was the first nation (A)to pass a law intended to (B)have reduced the use of plastic bags.
「アイルランドはプラスチックバッグ類の使用を(B)減らしたことを意図する法案を(A)通過させた最初の国です」
完了形不定詞(to have+過去分詞)は「~したこと」という意味を表すので、これから起きることに言及する「~を意図する」という文脈では不適です。よって、have reducedreduceと直せば正しい形になります。

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