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2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]
文法/語法問題の場合と同じ解き方
空欄補充問題でも選択肢が前置詞/接続詞/副詞で構成された問題が出題されます。ただし、出題数は少なく、各日程で1、2問ぐらいです。
『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンの解き方は、文法/語法問題の場合と基本的に同じです。ただ、出題者側で文意を読み取れているか確認する意図があるのか、選択肢を2つ(または3つ)にしぼったあと、文脈で最適なものを選ばせるタイプが多いです。この点、選択肢を前置詞/接続詞/副詞に分類すれば一発解決することも多い文法/語法問題と異なります。
前置詞vs接続詞vs副詞パターン
2019 人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部 問35. 以下の文章が完成するように、空欄( 35 )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。 Many of Gaudi’s models of the church were damaged in 1936 ( 35 ) the outbreak of the Spanish Civil War… [語句] outbreak(名)[悪いことの]発生、the Spanish Civil War「スペイン内乱」 (A) following (B) since (C) while (D) because |
設問へのアプローチ方法はいつも通りです。空欄を含む箇所まで読み進めたら、まずは選択肢を見比べてどんな特徴があるかを掴みます。
[選択肢の分類]
(A)following→前置詞「~に引き続いて」
(B)since→前置詞/接続詞「~以来」
(C)while→接続詞「~している間に」
(D)because→接続詞「~なので」
『前置詞vs接続詞vs副詞』のうち副詞がありませんが、このような場合でも『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンとして解くことが可能です。このパターンでは空欄の語が文のどんな要素をつないでいるか?という点に着目します。
[空欄の語は何と何をつないでいるか?]
Many of Gaudi’s models of the church were damaged in 1936 ( 35 ) the outbreak of the Spanish Civil War…
空欄のあとには名詞句the outbreak of the Spanish Civil Warが続いているので、( 35 )には名詞をつなぐ働きをする前置詞が入ると推測できます。
選択肢のうち前置詞は2つ[(A)following、(B)since]ですが(B)sinceは完了時制で用いるので正解は(A)followingになります。
例題に選んだ2月11日出題の『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンはこの1問のみです。他の日程で出題されたものをいくつか紹介しておきます。
2019 外国語学部(フランス学科、アジア学科)・経済学部 Ⅵ 問59. 以下の文章が完成するように、空欄( 59 )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。 An usually large number of ships and planes have disappeared ( 59 ) passing through this area. [語句] pass through ~「~を通り過ぎる」 (A) as (B) during (C) along (D) while |
問59【解答】(D) while (訳)非常に多くの船や航空機が、この区域を通過する間に消息を断ってきました。 [解説] 選択肢から『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンであること判別できたら、空欄の語が文中の、どの要素をつないでいるかに着目します。 空欄のあとにはpassing through this areaと一見、動名詞句が続いているように見えますが、( )とpassingの間には主語(ships and planes)とbe動詞が省略されています。よって、空欄の語は節をつなぐはたらきをしているので、接続詞が入ることになります。 選択肢の中で接続詞の働きを持つものは(A)as(~する間)と(D)while(~している間に)ですが、asにはas doingという用法はできないので(D)whileが正解になります。 |
2019 外国語学部(フランス学科、アジア学科)・経済学部 Ⅵ 問63. 以下の文章が完成するように、空欄( 63 )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。 It is logical then that there would be a higher number of accidents in this area ( 63 ) its increased traffic volume. (A) because (B) despite (C) as for (D) due to |
問63【解答】(D) due to (訳)増加した交通量の為に、この地域で事故の数が多くなるのももっともだ。 [解説] (C)as forと(D)due toは前置詞句の形ですが、選択肢から『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンであることが一目瞭然です。空欄のあとにはits increased traffic volume(増加した交通量)と名詞が続くので、ここでは名詞をつなぐはたらきをもつ前置詞(句)が入ると推測できます。 選択肢中に前置詞(句)は3つあり、それぞれ (B)despite「~にもかかわらず」 (C)as for「~について言えば」 (D)due to「~のために」 という意味です。 「交通量の増加↑」のために「事故の増加↑」につながるというロジックから(D)due toが最適です。 |
2019 人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部 Ⅵ 問57. 以下の文章が完成するように、空欄( 57 )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。 A child in New York might pretend to be an airplane ( 57 ) a child living on a farm might pretend to be a horse. [語句] pretend to be A「[子供が]Aである真似をして遊ぶ」 (A) since (B) because (C) whereas (D) whenever |
問57【解答】(D) whereas (訳)ニューヨークに暮らす子供が飛行機の真似をして遊ぶ一方で、農場で暮らす子供は馬の真似をして遊ぶかもしれない。 [解説] 選択肢(C)whereasは見慣れない単語ですが、南山大学では頻出の接続詞です。特に『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンで誤った選択肢の1つとして紛れていることが多いです。 本問では全ての選択肢が接続詞用法をもつので、文脈で解くことになります。選択肢それぞれの意味は、 (A)since「~して以来/~なので」 (B)because「なぜなら~」 (C)whereas「~だが一方…」 (D)whenever「~するときはいつでも/いつ~しようとも」 前半の節、A child in New York might pretend…と空欄以降の節、A child in a farm might pretend…は文の構成が同じでニューヨークと田舎を対比した内容になっていますので、(C)whereas「~だが一方…」が最適です |
2019 法学部・国際教養学部 Ⅲ 問33. 以下の文章が完成するように、空欄( 33 )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。 Many organizations are inspiring and supporting teenagers and young adults to be social entrepreneurs. ( 33 ) these organizations, the field of social entrepreneurship has expanded significantly. [語句] social entrepreneur「社会的企業家」 (A) In fact (B) Thanks to (C) Except for (D) Indeed |
問33【解答】(B) Thanks to (訳)多くの組織が10代の少年少女や若年層の若者たちを促して、社会的企業家になるための支援を行っています。これらの組織のおかげで、社会的企業の領域は著しく拡大してきました。 [解説] 南山の過去問を解きなれてくると、選択肢の(A)In fact「実際に」→副詞句、(B)Thanks to「~のおかげで」→前置詞句、を確認したところで『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンであると勘づきます。 残りの2つの品詞を確認したら、空欄の語が文中のどの要素をつないでいるかをチェックしましょう。 空欄のあとは「these organizations,」と名詞が続いたあとカンマで区切られています。よって、空欄の語は名詞をつなぐはたらきをしているので、前置詞(句)が入ることになります。 選択肢の中で前置詞の働きを持つものは(B)Thanks toと(D)Except for(~をを除いて)ですが、前文からthese organizationsの活動が社会的企業の活動を活性化させたので(B)Thanks toが正解になります。 |
まとめ
空欄補充問題での『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンも解き方は文法/語法問題のときと変わりません。
空欄に入る語が、文の要素の何と何をつなぐかに着目して品詞を特定したあとは、文脈に最適なものを選びましょう。
『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンの解き方[空欄補充問題] 1.空欄が現れたら選択肢を見比べる 選択肢が前置詞/接続詞/副詞で構成されている→『前置詞vs接続詞vs副詞』パターン [例] 選択肢が, (A)that(接) (B)during(前) (C)since(前/接) (D)even(副) →前置詞/接続詞/副詞で構成されているので『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンである。 2. 空欄を含む文の構文をチェックして、空欄の語が何と何をつなぐか確認して正解候補をしぼる〔構文的アプローチ〕 [例] 1.空欄が名詞をつないでいる→前置詞 2.空欄が節と節をつないでいる→接続詞 3.空欄はなにもつないでいない(空欄は文全体(または文の要素)を修飾している)→副詞 3.正解候補が複数ある場合、文脈に合うものを選ぶ〔文脈的アプローチ〕 |