第4講「②前置詞パターンの解き方」

問題は以下のホームページを各自で参照してください。

大学受験パスナビ(外部サイト  会員登録が必要です)
2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]

1.『前置詞』問題には2種類ある
文法/語法問題ゼミの第12講でも解説したように、空欄に入れるべき選択肢がすべて前置詞の場合は、2種類の解法があります。

1つは、熟語やイディオムを構成する前置詞を問われている場合。
もう1つは、文脈に合う意味をもつ前置詞を問われている場合です。

2種類に分かれる『前置詞』パターンですが、解き方は同じなので安心してください。

選択肢から『前置詞』パターンだと判断したら、まず構文を分析して、空欄前後に特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします。これを構文的アプローチ』と呼んでいきます。構文的アプローチとは文法語法構文の知識で正解選択肢を決定する解法です。

構文的アプローチによる解法で選択肢が1つに決まらなければ、問題文の内容に最もふさわしい意味をもつ前置詞を選ぶという解法に切り替えます。これを文脈的アプローチ』と呼んでいきます。文脈的アプローチは、文法的に正しい選択肢の中から文意に最も合うものを選ぶ解法です。

『前置詞』パターンでは、どんな問題でも先に構文的アプローチを試みてください
なぜなら、look forward to doing(~するのを楽しみに待つ)のような定型的な言い回しの中の前置詞は見つけやすいからです。

『前置詞』パターンの解法ステップ
1段階他の語との組み合わせで前置詞を選ぶ構文的アプローチ
(構文的アプローチで正解が決まらない場合)
2段階:文脈に合う意味をもつ前置詞を選ぶ文脈的アプローチ

これらを実際に問題を解きながら確認してみましょう。

2.構文的アプローチによる解法

2019 人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
問30. 以下の文章が完成するように、空欄(  30  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。

Many people claim that modern technology, including video games, keeps young people (  30  ) communicating with others.
[語句] claim that …「…であると主張する」
(A) from
(B) away
(C) off
(D) out

選択肢(B)awayは副詞ですが、他はすべて前置詞ですので前置詞パターンの方針で解いてみます。

まずは特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックしましょう[=構文的アプローチ]

[①構文的アプローチ]
Many people claim that modern technology, including video games, keeps young people (  30  ) communicating with others.

空欄を含むthat節の述語動詞はkeepsで、その目的語はyoung peopleです。そして空欄後には動名詞communicating with othersとなっています。ここで、他動詞keepをキーワードとして、

keepO(目的語)前置詞doing

を満たす前置詞(副詞)が選択肢の中にないかチェックします。すると、(A)fromだけがこれを満たします。

keep A(目的語) from doing「Aが…することを妨げる」

念のため、空欄にfromを入れた場合の意味を確認しておきましょう。

[意味の確認]
Many people claim that modern technology, including video games, keeps young people (30)from communicating with others.
(訳)多くの人々が、テレビゲームを含む現代のテクノロジーが若者たちが他人とコミュニケーションをとるのを妨げると主張している。

内容的にも本文の文脈に合致するので、これが正解になります。

2.文脈的アプローチによる解法
実は、空欄補充問題において構文的アプローチの段階で解ける前置詞問題は少数で、ほとんどが文脈的アプローチで解くことになります。文法/語法の知識だけで解けてしまっては、長文の中に空欄を設ける意味がないからでしょう。

構文的アプローチの解説で他の日程の問題を使ったのは、例題で選んだ問題に構文的アプローチで解くタイプの問題がなかったからです。

2019 人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部
問31
. 以下の文章が完成するように、空欄(  31  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
One reason for it not being completed is that when architect Antoni Gaudi took charge of the project a year after it started, he (30)abandoned the original plans in favor of a more elaborate design, (  31  ) anything the world has ever seen.
(A) different
(B) except
(C) besides
(D) unlike

本問では選択肢(A)differentだけが形容詞ですが、他はすべて前置詞の用法をもつ語ですから、前置詞パターンで解いてみましょう。まずは特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします[=構文的アプローチ]

[①構文的アプローチ]
…, he (30)abandoned the original plans in favor of a more elaborate design, (  31  ) anything the world has ever seen.

heで始まる節の述語動詞は問30で選んだ他動詞abandonedで、その目的語はthe original plansです。(  31  )で始まる部分は直前をカンマで区切られていることから、付加的に情報を補足していると考えられます。この部分にはthe world has never seenというSVを含む節がありますが、これは直前の代名詞anythingを修飾する関係代名詞節です。

このように、構文分析から特定の前置詞と組み合わせになりそうな語が見つからない場合は、文の内容にふさわしい意味を持つ前置詞を選ぶ方針に切り替えます[=文脈的アプローチ]

[②文脈的アプローチ]
…, he (30)abandoned the original plans in favor of a more elaborate design, (  31  ) anything the world has ever seen.

(訳)彼はより込み入ったデザインを好んで当初の計画を捨てました。(そのデザインは)世界が今までに見たことのあるもの( 31 )[(A)different形容詞のため不可(B)except「を除いて」(C)besides「を加えて」(D)unlike「とは違って」]いました。

(  31  )を含む部分は直前のa more elaborate design「より込み入ったデザイン」を説明しているので、そのデザインが「誰も見たことのないもの→見たことのあるものとは違った」という意味になる(D)unlike「~と違った」が最適です。

もう1問練習で解いてみましょう。

2019年人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・経営学部
問63
. 以下の文章が完成するように、空欄(  63  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
Music lovers can hear these instruments played (  63  ) the project’s website…
(A) in
(B) on
(C) with
(D) to

明らかに前置詞パターンですから、まずは構文を分析して空欄前後に特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします。

[①構文的アプローチ]
Music lovers can hear these instruments played (  63  ) the project’s website…
この文は以下のような構文になっています。
S=Music lovers「音楽愛好家たちは」
V=can hear「聴くことができます」
O=these instruments「これらの楽器が」
done=played「演奏されるのを」

[②文脈的アプローチ]
空欄直前にあるplayed(受動態)の目的語はthese instrumentsですから、空欄の前置詞は熟語の一部ではなく、(  63  ) the project’s website全体で副詞句を作ると考えられます。
意味としては、
「そのプロジェクトのウェブサイト上で(これらの楽器が演奏されている)」
とするのが最適なので(B)onが正解になります。

このonは『手段/方法』を表し、過去には「電話(インターネット)で」という場合での出題があります。

『手段/方法』のon
[例] We talked on the phone.「私たちは電話で話した」
[例] Bob searched for information about the singer on the Internet.「ボブはインターネットでその歌手に関する情報を探した」

第3講「①文脈パターンの解き方」

それでは実際に問題を解いていきましょう。問題は以下のホームページを各自で参照してください。

大学受験パスナビ(外部サイト  会員登録が必要です)
2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]

最頻出の文脈問題
空欄補充問題を解く場合の第1ステップは、選択肢から出題パターンを見抜いて文法/語法/構文の知識で選択肢をしぼることです。しかし、文法的にすべて正しいという状況が多々あります

この場合、与えられた英文の内容に最もふさわしいものを選ぶのですが、このような『文脈問題』が空欄補充問題全体の半数を占めているので、解き方の手順を学んでおく必要があります。

文脈を読み取る」といっても、複雑な構文や英文解釈の細かい知識は必要ありません。南山大学で出題される英文は総合英語参考書に載っている例文がきちんと頭に入っていればじゅうぶん対応できるレベルです

例文学習を一通り終えたら、語彙を増やしていきましょう。センター試験レベルの単語帳を中心に、南山大学の過去問に出てくる単語を覚えていくのがお勧めです。南山では繰り返し既出の語彙を用いた問題が出題されています。過去問を解いたあとは、正解選択肢以外の単語も語義/語法を辞書で確認しておきましょう。

文脈問題を解いてみよう

問29. 以下の文章が完成するように、空欄(  29  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
The foundation stone of the Sagrada Familia Church in Barcerona was laid in 1882. At the time (  29  ) would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.
(A) everybody
(B) anybody
(C) nobody
(D) somebody

空欄が現れるまでは英文の内容把握に努めながら読んでいきましょう。

[内容把握]
The foundation stone of the Sagrada Familia Church in Barcerona was laid in 1882.
(訳)バルセロナ市にある聖家族教会の礎石は1882年に置かれました。

At the time (  29  ) would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.
(訳)その当時、(  29  )はその建物が1世紀以上あとになってもまだ完成していないことを想像したでしょう。

the Sagrada Familia Churchはスペイン出身の建築家、アントニオ・ガウディの設計による教会建築で、日本語では「聖家族教会」と呼ばれています。この建物に関して、最も有名なことは建築が始まって1世紀以上経ってもなお、未完成である、ということです。この予備知識があれば、解答はすぐにわかるのですが、1問目ですから手順通り丁寧に解いてみます。

[①選択肢の検討]
選択肢を含む文まで読み進めたら、選択肢を検討して、出題パターンの判別をします。
(A) everybody (代)「誰でも」
(B) anybody (代)「どの人も」
(C) nobody (代)「誰も…ない」
(D) somebody (代)「誰か」
選択肢はすべて代名詞でした。

[②構文的アプローチ]
これらの代名詞はすべて単数扱いをするのですが、空欄(  29  )に入れた場合、どれもが文法的に正しいので、文法/語法の知識では正解を選ぶことはできません。このように、文法/語法の知識で選択をしぼることができない場合は、文脈から最適なものを選ぶ方針に切り替えます。

[③文脈的アプローチ]
それでは空欄に選択肢を当てはめていきましょう。

At the time (  29  ) would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.

(訳)「その当時、(  29  )[(A)everybody誰もが、(B)anybodyどの人も、(C)nobody誰も…(想像)しなかった(D)somebody誰かが]その建物が1世紀以上あとになってもまだ完成していないことを想像したでしょう」

建物の建築に1世紀以上もかかるということは、通常考えられない事態ですから、選択肢の中で唯一、否定の意を含む(C)nobodyが正解になります。

[正解]
At the time (29)nobody would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.
(訳)その当時、誰もその建物が1世紀以上あとになってもまだ完成していないことを想像しなかったでしょう。

問30. 以下の文章が完成するように、空欄(  30  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
One reason for it not being completed is that when architect Antoni Gaudi took charge of the project a year after it started, he (  30  ) the original plans in favor of a more elaborate design, …
[語句] take charge of A「Aを引き受ける」/ in favor of A「Aの方を選んで」/ elaborate (形)手の込んだ
(A) abandoned
(B) reduced
(C) deserted
(D) removed

1文が結構長いのですが、構造自体は簡単です。本問も空欄まで行きついたら選択肢を確認して、設問パターンを判別しましょう。

[内容把握]
One reason for it not being completed is that when architect Antoni Gaudi took charge of the project a year after it started, …
(訳)それ(=サグラダ・ファミリア教会)が完成されていない1つの理由は、建築が始まって1年後に、建築家アントニ・ガウディがその計画を引き受けた時…

… , he (  30  ) the original plans in favor of a more elaborate design, …
(訳)彼はより込み入ったデザインを好んで当初の計画を(  30  )しました。

空欄(  30  )まで読み進めたので選択肢を検討しましょう。

[①選択肢の検討]
(A) abandoned (他)「~を捨てる」
(B) reduced (他)「~を減らす」
(C) deserted (他)「(人)を見捨てる」
(D) removed (他)「~を取り除く」

[②構文的アプローチ]
選択肢はすべてSVO型の他動詞です。空欄の動詞がとる目的語は1つ(=the original plans「当初の計画」)だけなので、すべての選択肢を空欄に入れることが文法的に可能です。よって、本問は文脈パターンで解くことになります。

[②文脈的アプローチ]
… , he (  30  ) the original plans in favor of a more elaborate design, …
(訳)「彼はより込み入ったデザインを好んで当初の計画を(  30  )[(A)abandoned捨てました/ (B)reduced「減らしました」(C)deserted「見捨てました」 / (D)removed「取り除きました」]。

アントニ・ガウディが「さらに凝ったデザインを好んで(in favor of a more elaborate design)」、元々の計画を(  30  )した結果が、聖家族教会の完成していない理由の1つですから「完全に放棄する」という意をもつ(A)abandoned「捨てた」が最適です。(C)desertedも「捨てる」という意味をもちますが、「(地位場所)を見捨てる」という意味になるのでここでは不可です。

今回は始めの2問だけ解いてみました。残る12問のうち文脈問題が9問ありますので、手順を確認しながらご自身で解いてみてください。

文脈パターンの解法手順
1.英文を頭から読み進め、空欄まできたら初めて選択肢を検討する。

2.選択肢を検討し品詞などの特徴から、パターンを判別する(パターンの判別は文法/語法問題の場合と同じ)

[例] 2019人文/経営学部Ⅵ
[問58] Another played a trumpet (  58  ) together with tape.
(A)made (B)repaired (C)caught (D)held
→選択肢はすべて他動詞の過去分詞形。直前のa trumpetを修飾していて文法的にどれも正しい→文脈パターン

[問59] The instruments had been (  59  ) unused in the city’s schools.
(A)left (B)remained (C)rejected (D)gone
→本文は、S+(  59  )+the instruments+unusedという構文を受動態にしたもので、59の動詞はSVOCの語法をもつ→語法(動詞)パターン→選択肢中、唯一SVOCの語法をもつ(A)leftが正解。

3.文脈パターンであると判断したら、文意に最適なものを選ぶ。

第2講「5つの頻出パターン」

本講座では過去問を解きながら空欄補充問題の解き方を学んでいきます。
教材には2019年2月11日の日程で出題された人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部の問題を使用します。

お手数ですが問題文は各自でお手元の赤本か、下記のホームページを参照してください。

大学受験パスナビ(外部サイト  ※会員登録が必要です)
2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]

5つの頻出パターン
2019年人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部の問題3では
『文脈』『語法』『前置詞』『前置詞vs接続詞』パターンでの出題がほとんどを占めています。これらのパターンに『他動詞vs自動詞』を加えた5つが空欄補充問題の5大頻出パターンです。本講座では過去問を利用して、この5つのパターンの解き方を解説していきます。

出題パターン分類
2019年人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部
問題3
問29文脈(代名詞)
問30文脈(動詞)
問31前置詞(文脈)
問32文脈(名詞)
問33文脈(名詞)
問34文脈(名詞)
問35前置詞vs接続詞
問36文脈(動詞)
問37文脈(名詞)
問38『語法(動詞)
問39『文脈(動詞)
問40文脈(名詞)
問41文脈(動詞)
問42文脈(名詞)

次回からは実際に問題を解いていきます。
文法/語法問題ゼミを未習の方にも理解できるように解説しようと思いますが、あらかじめ以下の記事を読んでおくと理解しやすいのではないかと思います。

[参考]2019文法/語法問題ゼミ
第2講   『前置詞vs接続詞vs副詞
第3講   『他動詞vs自動詞
第6講   『語法
第12講『前置詞
第16講『文脈

第1講「空欄補充問題の基本戦略」

空欄補充問題の基本戦略
リスニング問題が課される外国語学部/国際教養学部は1問、それらを除いた学部では空欄補充問題が大問で2つ出題されます。後者の学部では、合計23~28問を解くことになります。問題数では文法/語法問題よりも多く解くことになります。

文法/語法問題、長文読解問題、リスニング問題の負担を考えると、空欄補充問題に割ける時間は限られるので攻めどころ捨てどころを意識しながら合格ラインとされる7割を確保することが大事です。

攻めどころとは、過去問で頻出の出題パターンや、見た瞬間に問われている論点が理解できる問題です。

捨てどころとは、頻出パターンから外れ、解答の手がかりも思いつかないような設問、いわゆる『捨て問』のことを指します。このような設問は解けなくても合否に影響はしません。

合格に必要なのは、全体の8割を占める標準的な難易度の問題を確実に得点することです。自分の実力で解けない問題を素早く判断し、思い切って捨てる能力を磨くことも重要です。

文法/語法問題のテクニックが生かせる
空欄補充問題で出題される英文は300~400語あります。長文読解問題として扱う大学もあるほどの語数ですが、怖気づくことはありません。なぜなら、空欄補充問題は2019文法/語法問題ゼミで解説したテクニックを生かせば効率的に解くことができます。
難しい構文も少ないので、物おじせず、早いうちから過去問に挑戦していきましょう。

まずは文意を把握しながら過去問を1問ずつ丁寧に解いていく練習をしましょう。始めはスピードを意識する必要はありません。この講座で学ぶ解き方どおりにやれば、過去問をこなすたびに解答速度は徐々にスピードアップしていきます。さらに、英文の構造を理解しながら読む練習にもなるので、長文読解問題攻略への足がかりにもなるでしょう。

出題傾向分析→『文脈』問題が頻出
今回の『空欄補充問題ゼミ』を執筆するにあたって、2019年に出題された空欄補充問題をすべて解いて、出題パターンをまとめてみました。
『文脈』『語法』などの用語は、2019文法/語法問題ゼミで解説した、南山で出題される文法/語法問題の出題パターンを表しています。

■2019年空欄補充問題パターン別出題数(全115問)
『文脈』                    61
『語法』                17
『前置詞』                  9
『他動詞vs自動詞』              9
『前置詞vs接続詞vs副詞』           6
その他(句動詞/構文/関係詞/時制/助動詞)    28

出題形式を考えれば当然かもしれませんが、空欄補充問題では圧倒的に『文脈』問題が多く出題されていることが分かります。
『他動詞vs自動詞』『前置詞vs接続詞vs副詞』 などでも、文法上の制約条件から選択肢を2つにしぼったあと、文意に沿ったものを選ばせるパターンが多いので、文脈を把握することが空欄補充問題攻略のカギになります

基本的な解き方
1.英文構造を意識しながら英文を読んでいく
文法/語法問題では、はじめに選択肢を見比べて出題パターンの判別を行いましたが、空欄補充問題では素直に問題文を頭から読んでいきます。このとき、注意することは英文の構造(SVOC)を意識しながら読むことです

2.文法的に正しい選択肢だけを残す
空欄を含む英文まで来たら、初めて4つの選択肢を確認します。選択肢の特徴から『語法』『前置詞』などのパターンを判別し、文法的に誤っているものを正解候補から除外します。これは、文法/語法問題ゼミで解説した構文的アプローチの手法です。

3.文脈から正しいものを選ぶ
構文的アプローチの結果、文法的に正しい選択肢が複数残った場合は文脈に合ったものを正解とします。このように文意に沿った選択肢を選ぶ方法を文脈的アプローチと呼んでいます。

空欄補充問題の解法手順
問題文を空欄まで読み進めたら、選択肢を見比べて何が問われているか大まかに推測し、以下の順番でアプローチする。
1. 構文的アプローチ…空欄前後の文法的要素から選択肢をしぼる
(選択肢が1つにしぼれなければ)
2. 文脈的アプローチ文脈に最も相応しい意味をもつ選択肢を選ぶ

空欄補充問題は正しい解き方を身につけて、過去問に取り組みながら必要な知識を補充していけば、安定して7割取れるようになります。この連載で解き方を身につけたのち、過去問演習を積んで、本番での得点源にしましょう。