「2019文法/語法問題ゼミ」カテゴリーアーカイブ

第4講『時制』

『時制』パターンとはその名の通り、同一動詞の時制変化のみで選択肢が構成されたパターンをいいます。
このパターンでは、与えられた英文の中に時制を決定するヒントが必ずあるので、それに気がつけるかがカギになります。

『時制』の基本パターン

[例題1]2016年経営学部理工学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。

Ken will not let me go home until I (      ) my work.
(A) finished
(B) had finished
(C) will finish
(D) have finished

文法/語法問題では、まず選択肢の分類を行うのでしたね。今回の選択肢にはどんな特徴があるでしょうか?

最初に気がつくのは、すべての選択肢に動詞finishが登場していることです。はたして、これは第1講で扱った動詞の形でしょうか?
実際に選択肢を分類してみましょう。

[①選択肢の分類]
(A) finishedfinish過去形

(B) had finishedfinish過去完了形
(C) will finishfinish未来形
(D) have finishedfinish現在完了形

『動詞の形』では-ing-edなどの分詞や、to-不定詞が含まれていたのに対して、本問では時制の違いのみです。
このように同一動詞の時制変化のみで選択肢が構成されているパターン『時制』と呼んでいきます。

『時制』パターンであると判断したら、問題文の中に空欄の時制を決定するヒントを探していきます。ここで初めて問題文を読んでいきます。

[②時制を決定するヒントを探す]
Ken will not let me go home until I (      ) my work.

(訳)ケンは私が仕事を終えるまで帰宅させてくれないだろう。

時制を決定するヒントになりそうなものを青字にしておきましたが、ここではuntilに注目です。
接続詞untilは『時』を表す副詞節を導き、その副詞節中では未来のことでも現在形を用います

…ということで、(      )に入る時制は現在形になるはずですが、選択肢には現在形がありません。ここまでの考え方が間違っていたのでしょうか?

実は本問は、現在完了形(D)have finishedが正解になります。
教科書的にはfinishが正解になるところですが、ネイティブの間では、時を表す副詞節中におけるfinishの扱いはfinishhave finishedも区別なく使われるようです

ここまでの知識を持っている受験生は少ないので、この設問では次善の策として消去法を使います。
(A)過去形、(B)過去完了形、 (C)未来形を消して、現在形にもっとも近い(D)現在完了形を残すのが無難な解答法かと思います。

たまたま選んだ問題が難問でした。口直しに、易しめの問題で練習してみましょう。

[例題2]2013年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
My younger brother Victor (      ) English since he was six years old.
(A) has been learning
(B) is learning
(C) was learning
(D) learns

選択肢(A)~(D)まで、すべて動詞learnの時制が変化したものが並んでいるので『時制』パターンですね。
時制パターンであると判断したら、時制を決定するヒントを問題文中に探します。そうです、今回のヒントはsinceです。

[時制を決定するヒントを探す]
My younger brother Victor (      ) English since he was six years old.

since『過去の始点』を表し、since節が過去時制で、主節が現在完了時制になることが多いです。よって正解は現在完了(進行)であるの(A)has been learningです。

残りの選択肢についても考察しておきましょう。

since節で「彼が6歳のとき以来」と言っているので、その時点から主節の動作が継続していると考えられます。
(B)is learningは現在進行形で今現在の動作を表しているので不可。
(C)was learningは過去進行形で過去のある時進行中だった動作を表すので不可。
(D)learnsは現在形で現在の状態を表すので不可。

今回学んだ『時制』パターンは他のパターンと絡めて出題されることも多いです。特に、次回扱う『態』との混合パターンが頻出です。
どのような問題でも、選択肢の中に複数の時制があれば、時制を決定するヒントは問題文の中に必ずあるということを念頭において問題に取り組みましょう。

まとめ

『時制』パターンの解き方
1.選択肢を見比べる
同一動詞の時制変化のみで選択肢が構成されている→『時制』パターン
[例]選択肢が、
(A) finished  (B) had finished
(C) will finish  (D) have finished
→動詞finishの時制が変化した『時制』パターンである。
2.問題文の中に時制を決定するキーワードを探す
[例]2014年人文学部・経済学部
Bob (    ) drifting in a small boat for two days before he was found.
(A) has been  (B) is
(C) had been 正解 (D) have been
彼が発見された時点までdrifting(漂流)していたのであるから、過去完了進行形である(C)had beenが正解である。

第3講『他動詞vs自動詞』

『他動詞vs自動詞』パターンとは、似たような意味の動詞が並んでいて、正解を導く過程で、空欄(      )に入るべき動詞が他動詞自動詞かを判定する作業が必要なものをいいます。
このパターンでは、空欄直後に目的語があるかないかに注目します。

1.『他動詞vs自動詞』基本パターン

[例題1]2015年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
The bus from Tokyo (      ) the station early in the morning.
(A) reached
(B) came
(C) arrived
(D) got

どんなパターンでも最初に選択肢の分類を行います。本問では、4つの選択肢にどのような特徴があるでしょうか?

(A)reached(C)arrivedには到着するという意味がありますね。(B)came(D)gotにも「到達」を表す用法があります。

これら4つは意味が近いので、和訳した本文の空欄に訳語を当てはめるとすべて、

(訳)東京からのバスは早朝、駅に到着した

という意味になり、どれもが正しく思えてしまいます。

このような場合は空欄の前後に正解を決定するキーワードを探すのですが、その第1歩となるのが他動詞と自動詞の分類です。

[空欄に入るのは他動詞?自動詞?]
The bus from Tokyo (      ) the station early in the morning.

(      )の直後にはthe stationという目的語があるので、空欄には他動詞が入ることになります。なぜなら、自動詞は目的語を必要としないからです。
ここで、4つの選択肢を他動詞/自動詞の視点で分類すると、

[他動詞/自動詞の視点で分類する]
(A) reached他動詞
(B) came自動詞
(C) arrived自動詞
(D) got(『到達』という意味では)自動詞

となります。
他動詞は(A)reachedだけなので、これが正解です。

(B)、(C)、(D)はそれぞれ
come to場所
arrive at
[in]場所
get to
場所
というように前置詞を伴って使われます。

この設問のように選択肢に意味の近い動詞が並んでいる場合は(      )の直後をまずチェックします

『他動詞vs自動詞』では空欄のあとに注目!!
(      )
名詞(      )には他動詞が入る

(      )前置詞名詞(      )には自動詞が入る
(      )
副詞(      )には自動詞が入る
(      )
なし→(      )には自動詞が入る

2.正解候補が2つある場合

選択肢を他動詞/自動詞に分類した結果、正解候補が複数ある場合はさらに別の要素から正解を1つに絞るという流れになります

それでは、正解候補が2つ以上ある場合を練習してみましょう。

[例題2]2012年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Jim has such a good memory that he can (      ) a poem perfectly after hearing it only once.
(A) address
(B) talk
(C) recite
(D) speak

(A)address(~に話しかける)、(B)talk(話す)、(C)recite(~を暗唱する)、(D)speak(話す)という意味で『話すこと』に関係ある動詞が並んでいますね。

選択肢に意味の近い動詞が並んでいるので、まずは(      )の直後をチェックします。

[目的語があるかをチェックする]
Jim has such a good memory that he can (      ) a poem perfectly after hearing it only once.

a poemという名詞(目的語)が直後に来ているので、(      )には他動詞が入ります。選択肢(A)~(D)を他動詞・自動詞の視点で分類すると、

[他動詞/自動詞の視点で分類する]
(A) address他動詞
(B) talk自動詞
(C) recite他動詞
(D) speak自動詞

speakには他動詞の用法もありますが、その場合の目的語は言語になります。

speak言語「(言語)を話す」
[例] 
She speaks good Japanese.(彼女は日本語を話すのが上手だ)

正解候補となる他動詞が2つありましたね(address/recite)。どちらも文法的には正しいので、設問文の内容を検討して正しいほうを選びます。

[文法的に正しいものを文脈で選別する]
Jim has such a good memory that he can (      ) a poem perfectly after hearing it only once.

(訳)ジムは記憶力が良いので、たった一度聞いた後で完璧に詩を(      )できる

文の内容に最も合うのは(C)recite(~を暗誦する)ですね。これが正解です。

ちなみに(A)addressが目的語にとるものは話しかける対象であって、話す内容ではありません。

[例] A policeman addressed the man politely. (警官がその男にていねいに話しかけた)

このように『他動詞vs自動詞』パターンでは正解候補が複数になることのほうが多いです。このような場合、文法的に正しいものを残して、文脈から適切なものを選びましょう。和訳先行は禁物です。

まとめ

『他動詞vs自動詞』パターンの解き方
1.選択肢を見比べる
選択肢がすべて動詞で(かつ、似たような意味で)ある→まずは他動詞/自動詞の分類で選択肢をしぼる
2.空欄(      )の後の語に注目して他動詞/自動詞の判定をする
(      )名詞(      )には他動詞が入る
(      )前置詞+名詞(      )には自動詞が入る
(      )
副詞(      )には自動詞が入る
(      )
なし→(      )には自動詞が入る

3.正解候補が2つあるときは文の内容にふさわしいものを選ぶ