文法/語法問題

1.毎年20問出題される重要分野
例年、4択形式で文法語法語彙イディオムに関する知識を用いて短文を完成させる問題が20問出題されています。この形式の設問は15年以上安定して続いていますので来年度も出題が予想されます。
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2.出題傾向は?
過去5年間(2011~2015)の問題(500問)を出題分野別に分析したところ、次のような傾向がありました。
 ・文法…26
 ・語法…21
 ・語彙/イディオム…47

年度や学部によって変動はありますが、語彙イディオムに関する知識を問う問題が10問近く出題されることが南山英語の特徴になっています。
また、文法分野での出題では頻出分野が目立ちます。中でも完了形・助動詞・分詞・仮定法・倒置がよく出題されています。特に倒置は苦手な受験生が多いので注意が必要です。

3.文法/語法問題の解き方
まずは、実際の問題を解いてみましょう。

[例題1]2016外国語学部(英米学科)総合政策学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを, (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
It’s going to rain this weekend, so let’s cancel our (      ) of downtown New York.
訳)今週末は雨になるから、ニューヨーク市街への(      )は中止にしよう。
(A) trip
(B) travel
(C) journey
(D) tour

問題文は「週末は雨になるから、ニューヨーク市街への(  )は中止にしよう」といった意味で、空欄に最適なものを選択肢の中から選んでいきます。
(A)trip旅行(B)travel旅行, (C)journey も (D)tourもすべて旅行という意味の名詞です。どれを選んでも当てはまりそうで迷ってしまいませんか?

手がかりを求めて問題文に戻ると、空欄の後はof downtown New Yorkとなっています。旅行といっても国内旅行に海外旅行、日帰り旅行もあれば長期に渡る旅行などいろいろあります。これらの単語にはそれぞれ細かい意味の違いがあるのでしょうか?

始めに問題文を和訳してはいけない
皆さんに効率的な解き方を学んでいただくために、わざと回り道をしています。
この問題で迷った原因は最初に問題文を和訳して選択肢の中から意味の通じる単語を日本語で選ぼうとしたことにあります

ちろん、この解き方で有効な場合もあります。しかし、この問題のように似たような意味の選択肢が並んでいるタイプの問題ではうまくいきません。

解答に戻りましょう。この問題を解くためには空欄直後のofがポイントになっています。

実は、選択肢(A)trip, (B)travel, (C)journey, (D)tourの中で
『 (      )of場所
の形で用いられるのは(D)のtourだけなのです。

その他は
a trip to New York
travel to England
a journey to Kyushu
のように使われます。

この設問を作成した出題者の意図は「これらの単語の意味を知っていますか?」ではなくて「これらの単語の使い分けを理解していますか?」だったのです。語彙の問題ではなく、語法を問う問題だった訳です。

まず選択肢を吟味するクセをつけよう
受験は限られた時間の中での勝負ですから、和訳しなくても解ける問題は英文のまま内容を把握して、時間を節約しましょう。

和訳せず解けるかどうかを判断したり、設問の意図を素早く把握し、最短時間で回答するには、問題文の和訳よりも先に、選択肢の吟味をするクセをつけることが大切です
過去問を解くときに練習してこの習慣を身につけておけば、時間短縮につながるだけでなく、自信を持って選択肢を選ぶことができるようになります

練習として次の問題を解いてみましょう。

[例題2]2016外国語学部(英米学科)総合政策学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを, (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
It’s no good trying to talk Sophie about her relationship with Alex. She refuses to (      ) the matter.
(A) consult
(B) discuss
(C) speak
(D) argue

和訳したい気持ちをグッと堪えてください。練習ですから、まずは選択肢を吟味しましょう。4つの選択肢(A)consult, (B)discuss, (C)speak, (D)argueはどんな属性を持っているでしょうか?

(A) consult~に相談する
(B) discuss~を話し合う
(C) speak~を話す
(D) argue口論する

今度はすべて話すことに関する動詞が並んでいますね。

まだ和訳は我慢ですよ。
次に(      )の直後にあるthe matter(そのこと)に注目です。
動詞の直後に名詞(目的語)がきているので、空欄に入る動詞は他動詞になると推測できます
ここで1つの選択肢を除き、残りが自動詞ならば話は早いのですが、残念ながら(A)~(D)すべてに他動詞の用法があります(もちろん他動詞1つ、自動詞3つであっさり解ける問題もあります)。

手詰まりになってきましたが、攻め手はまだ残っています。(A)consult「~に相談する」が目的語に取る対象は専門家などの人です。
(C)speakの場合、目的語はJapaneseFrenchなどの言語です。
(D)argueは他動詞では「~を主張する」という意味です。
ここで初めて和訳してみると、

「ソフィーにアレックスとの関係について話そうとしても無駄だよ。彼女はそのことを主張することを拒むから」

という意味になります。the matterとは「ソフィーとアレックスの関係」ですから文意に沿いません。

ひとくちに他動詞といってもそれぞれ目的語に取れるものの属性が異なります。これは英単語を単語帳だけで暗記してもなかなか身につきません。丹念に辞書を読み込むことが大切です。

消去法で(B)discuss~について話し合う」が残りました。意味的にもこれが一番ふさわしい選択肢です。

結果的に問題文を和訳しましたが、選択肢を絞る過程で(A)consultと(C)speakは自信をもって候補から外せました。
和訳してから文の意味に合う単語を選ぼうとすると、(A)から順に当てはめて「相談する→話し合う→話す→議論する→相談する…」という無限ループに陥るのではないでしょうか?

英語が得意な受験生や帰国子女の皆さんは、直感で(B)のdiscussを選ぶことができますが、恵まれた英語学習環境にない私たちは論理的に正解を導くことが結果的に時間短縮となるのです。

文法・語法・語彙・イディオム問題への対策
私はこの記事を書くために南山大の文法/語法問題を9年分(2008~2016)解いてみました。その結果得られた私なりの対策を以下で皆さんにお伝えします。

1. 文法・語法問題集は1冊に決めて繰り返す
2. 過去問をできるだけたくさん解く
3. 本番では満点を狙わない(8割でじゅうぶん)

1. 文法・語法問題集は1冊に決めて繰り返す
使用する問題集は周りの受験生が使っているもので、レイアウトや解説が自分の好みに合うものを選べば良いでしょう。
学校で指定されたものが手元にある場合は、新しく買わないでそれを活用しましょう。疑問が湧いたらすぐに友人や先生に質問することができるからです。
心に留めておいて欲しいのは、問題集を完璧にしても、満点はなかなか取れないということです。南山英語では問題集では扱わない知識が必ず出題されるからです。

2. 過去問をできるだけたくさん解く
1.で選んだ問題集を終えたら、南山大学の過去問に挑戦しましょう。
始めは1問解くごとに問題集の索引で同様の問題が載っていないか確認してみましょう。すると、問題集に載っている知識では正解に辿り着けない問題が出題されていることに気づきます。そのような問題は、辞書や文法書で調べてみましょう。
問題をこなしていくうちに、南山大学の出題パターンが見えてくると思います。

3. 本番では満点を狙わない(8割でじゅうぶん)
試験本番で20問すべてに正解するのは難しいでしょう。逆に、出題する側もそんなことを期待していません。なぜなら、平均的な受験生に満点が取れる出題では選抜試験の意味をなさないからです。
本番では8割(16問)も取れれば十分です
20問正解するより重要なことは、

文法/語法問題で時間を奪われずに、長文読解問題に割く時間を確保することです

では、どうやって難問を見分けるのでしょうか?その為の1.であり2.であるのです。

問題集を1つに決めて繰り返すことで

自分の見たことがない問題=他の受験生もほぼ知らない問題

と判断できます。また、過去問演習を通じて南山大の出題パターンを知ることで

難問のパターンだ→きっと、他の受験生も難しいと感じているはず→解けなくても差はつかないぞ

と判断できるので、捨て問であると判断することができます。

まとめ
2016年度の一般入試で、南山大の中でも難関と呼ばれる外国語学部英米学科の合格者最低点は374.00点です。得点率に直すと74.8%です。つまり、

2割5分は間違えても合格は可能

なのです。長文読解問題は内容が読み取れれば全問正解も可能です。効率的に文法/語法問題対策を行い、長文読解や他教科に時間を割くことを心がけましょう