日本史/世界史の勉強法



1.個人的な体験談

元々私は国立大学の法学部志望でしたので、社会はセンター試験対策しかしていません。記念受験した慶應(商)に運良く合格することができましたが、センター試験以後は国立2次試験科目の数・英ばかりを勉強して、世界史の慶應対策はまったくしませんでした。慶應に合格できたのは数・英で点数が稼げたからだと思いますが、世界史にもそこそこ手ごたえを感じました。受験時代から20年以上経っていますので、現在の南山対策に役立つかわかりませんが読み物として参考程度にしてください。

2.世界史を選択した理由
今考えても、なぜ世界史を選択したのかは明確に思い出せません。私の母校では2年生から世界史と日本史を学ぶのですが、どちらも定期テスト前以外は勉強せず、なんとか赤点を免れているといった状態でした。その中で世界史を選んだのは、たまたま読んだ合格体験記で『世界史はセンターで高得点が狙える』という言葉に影響されたのではないかと思います。慶應を受けるとは思ってもいなかったので「早慶の世界史はマニアックな問題が出るんだろうな」と他人事のように考えていました。

3.使用した教材と使用法
世界史を選択することに決めたものの、どのように勉強すればいいか決めかねていました。そんなとき出会ったのが和田秀樹氏の『受験は要領例えば、数学は解かずに解答を暗記せよ』という本です。そこには「世界史は山川の教科書をマスターしろ」と書かれていたので、教科書を勉強の中心にすることにしました。
■メイン教材■
教科書(山川出版社)

世界史の基本書ともいえる存在

和田秀樹氏の言葉を信じて教科書のマスターに最も力を入れました。後述する世界史総合テストを解く前に出題範囲を2度読み、問題を解いたあと、もう1度読み返しました。模試や過去問の復習では1つ1つの選択肢について教科書の索引を用いて該当箇所を調べ、なぜ正解なのか、なぜ誤りなのかを確認しました。何度も読んでいると飽きてくるので、ヨーロッパ史や東アジア史など地域別に通しで読んだり、文化史だけを通しで読んだり、資料の図や写真だけを読んだりと変化をつけました。入試では口絵のカラー写真も出題されるので、ここも時々眺めました。とにかく教科書本文だけでなく、写真や資料まで全てをマスターするつもりで読み込みました。

世界史総合テスト(山川出版社)
 
まずは「教科書⇔世界史総合テスト」の繰り返し。
問題集は何を選んで良いか分からなかったので学校で購入したものを利用することにしました。それがこの世界史総合テストです。1テーマ当たりの出題範囲が教科書約30ページぶんぐらいなので、教科書に書かれた重要項目を学ぶのに効率が良かったです。書きこみ式になっていたので、1度解いたあと消しゴムで消して3回ぐらいやりました。3回と聞くとしんどそうですが、1度やったものは2回目、3回目は楽にこなせるので、新たな問題集をやるよりも苦にはなりませんでした。1問1答式の問題集も持っていましたが、まったく使いませんでした。単語帳で例えれば、1問1答式は1語1意のターゲット(旺文社)世界史総合テストは文脈で覚える速読英単語(Z会)といった感じでしょうか。私には世界史用語を文章題の空欄を埋める形で覚えることが合っていたみたいです。要は重要な語句を覚えればいいのですから、自分に合った方法を選べば良いのだと思います。

センター試験への道(山川出版社)

正解だけでなく,誤りの選択肢も教科書で確認しました。
教科書を一通り終えたらセンター対策にとりかかりました。私が利用した問題集は絶版になっているみたいなので、同様の編集方針で作られているこちらを紹介しておきます。
この問題集はセンター試験の過去問が時代別、地域別に編集されているので出題範囲を教科書で読んだあと解いていくと良いでしょう。答え合わせをするときは正解の選択肢だけでなく、誤りの選択肢はどこが間違いなのかをすべて教科書で確認していきます。

マーク式総合問題集世界史(河合塾)
全統マーク模試/センター試験プレテスト(河合塾)

全ての選択肢を教科書に戻って検討しました。
教科書順に並んだ問題集を終えたら総合問題を解く練習を始めます。まずは、今までに受けたマーク式模試を復習します。『センター試験への道』の時と同様に、正解の選択肢だけでなく誤りの選択肢についても「なぜ誤りなのか?」を教科書で調べあげます。この作業は南山の過去問に取り組むときも同じです。模試を受けるたびこの復習を繰り返していきます。
模試の復習だけでは演習量が足りないので、私は河合塾から発売されているマーク式総合問題集も利用しました。やり方は模試の復習と同じです。これに加えてセンター試験の過去問を解けば、センター試験は9割以上安定して取れるのではないかと思います。

■サブ教材■
世界史用語集(山川出版社)
世界史資料集(山川出版社)
 
問題集を解いていて、教科書に記載のない用語や地名を調べるときにのみ使っていました。ただし、資料や地図を軽視しているのではなく、教科書に載っている資料や地図は読み返すたび何度も目を通すよう心がけました。

4.なんで私が慶應に!?
私が受験した当時、慶應の商学部は受験科目が英語・数学・日本史/世界史でした。当時の私の偏差値は、河合塾の記述式模試で英語67、数学65ぐらいでした。世界史はマーク式模試で9割以上取れていて自信はあったものの、自分が慶應に合格できるとは思えず自信を失うのが怖くて赤本の問題も一切解きませんでした。
そんな私が合格できた要因を世界史に関して自己分析すると、図や資料を含めて教科書を徹底的に読み込んだからではないかと思います。慶應の商学部は国立大学の併願で受験する生徒が多かったので世界史のレベルが低かったということもあるでしょう。
とにかく和田秀樹氏の言葉を信じて教科書と心中するつもりで世界史に取り組んだことが功を奏しました。



5.南山の日本史/世界史に向けて
私は南山の日本史/世界史の問題について細かい分析も知識も持ち合わせていません。無責任な言動で皆さんを誤った方向へ導かないよう厳に戒めつつ今回の記事を書きました。
南山の日本史/世界史には難問も出題されると聞きますが、それでもまずは「教科書に載っている知識で解けないか?」ということにこだわって欲しいと思います。4つの選択肢のうち3つが教科書に載っている事柄ならば消去法で残りの正誤もつけられます。すべての設問に必要な知識を用意しようとすると日本史/世界史だけで膨大な時間が必要になってしまいます。南山対策は用語集や分厚い参考書を隅から隅まで暗記するのではなく、過去問を手に入るだけ解くことで大丈夫なのではないでしょうか。

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南山英語におすすめの単語帳

1. 好きなものを選べば大丈夫。
  
今回は単語帳についてです。ここではセンター試験と南山合格を目標にした単語帳の選び方、使い方を考えてみたいと思います。

受験生が語彙不足を実感するのは恐らく長文読解問題に取り組んだ時だと思います。教科書だけで単語を学んだ場合の語彙が約3000語ですので、MARCHレベルの長文で要求される約4000語の語彙レベルには約1000語足りません。この溝を埋めるための方法の1つが単語帳です(唯一絶対の方法ではありません)。

文法/語法問題集と同じく、基本的に好きなものを選べば良いでしょう。ただし、いきなりターゲット1900システム英単語、キクタンAdvanced6000など上級レベルのものに取り組むのはやめたほうが無難です。これらに載っている単語の1/4~1/3は南山英語の語彙レベルを超えています

南山大学の長文読解を目標にした場合は費用対効果が低いので私はおすすめしませんが、周囲と同じ参考書に取り組むことで得られる安心感は本番での自信に繋がるので、既に取り組んでいる場合はそのまま信じて使いこみましょう。

2. まずは基本単語を固めよう

受験生の間で当たり前になりつつありますが、まずは中学学習語を含む単語帳から始めましょう。本屋さんでパラパラ捲ってみると知っている単語ばかりで退屈かもしれませんが、このレベルの単語の発音アクセント問題はセンター試験では頻出です。また, リスニング問題では、このレベルの単語を使った文を聞きとる問題がほとんどです。

基本的な単語の発音・アクセントをあやふやなままで音読学習を進めていくよりも、初期の段階で基本単語の正しい発音・アクセントを習得しておきましょう。このレベルでは本を開いて勉強するよりも、お風呂や寝る前のながら学習での反復をお勧めします。

3. センターレベルの単語帳をメインに使おう

センター試験・南山大学の長文対策で最もコアになるのはこのレベルの単語帳です。これらを仕上げても本番で未知の単語は現れますが、上級のものに手を出すよりは過去問や長文問題集に出てきたものをその都度覚えていくことをお勧めします。

保険のために上級レベルの単語帳に取り組むよりも、志望校の長文問題を解くことに時間を使いましょう。難しい単語を10個覚えても、それらが本番に出題されなければ長文読解スピードは1秒も上がりません上級レベルの単語になればなるほど、南山入試での出題率は下がりますセンターレベルの単語は見出し語に限らず派生語類義語対義語なども含めてすべてが重要です。

 

4. 例文や短いフレーズでの語法にも目を配ろう
単語1つに対して訳語を覚えたら、例文や短いフレーズでの使われ方にも注目しましょう。南山の文法/語法問題対策では、どのような語法を持っているかを確認しておくことが大事です

 

5. 色んなやり方で繰り返そう
単語帳を勉強する時「見出し語→訳→例文」と漫然と読んでいくのでは単調で飽きてしまいます。私の受験生時代と違って、現在は音声やアプリなど補助教材が充実しているので、是非活用しましょう。飽きずに同じ単語帳を繰り返すには、1周目、2周目と回数を重ねるごとにやり方を変えることをお勧めします


偏差値を上げる方法

1.勉強しても模試の偏差値が上がらない最大の理由
毎日こつこつ勉強しても偏差値が上がらない受験生がいます。すると本人は「ひょっとしてこの勉強法は間違っているのかな?」「この参考書で大丈夫かな…」という不安に襲われます。確かにその場合もありますが, 勉強しても偏差値が上がらない最大の原因は『他の受験生も同じように勉強しているから』です

身長を例に考えてみましょう。成長期に入ったA君は中学3年間の間に身長が15cmも伸びました。ところが、卒業式で並ぶと入学式の時とほとんど位置が変わりません。なぜでしょう?そうです。クラスメイトも同じように背が伸びたからです。自分の背が伸びても、クラスメイトが同じようなペースで成長すれば、身長の偏差値は変わりません。模試の偏差値も同じです。自分が勉強している時、他の受験生も似たような参考書を使って、同じように勉強しているからです。勉強しても偏差値が上がらないのは, あなたの学力が伸びていないのではなく、みんなの学力が同じようなペースで伸びているからです

それでも, 南山志望者の中から抜け出して合格するには受験生の中で偏差値を上げなければなりません。いったいどのようにすれば偏差値を上げることができるのでしょうか?
 
自分が勉強しているとき, ライバルも同じように勉強している→英語力が伸びても偏差値は上がらない

2.偏差値を上げる2つの戦略
偏差値を上げるには周りの受験生と同じことをしていては駄目です。偏差値を上げるには他の受験生に対して学力の伸びる速度を加速させなければなりません。それには2つの戦略があります。

他の受験生と違う教材で勉強する
他の受験生と同じ教材を使ってより長く勉強する

①他の受験生と違う教材で勉強する
これはライバルが使っている参考書より優れたものを使えば合格に近づくという考え方です。しかし, そのような問題集を探し出すのは至難の業です。受験勉強の方法に関して情報収集を始めたらきりがありません。
そこで私が薦めるものは『重要な教材であるにも関わらず, 多くの受験生が軽視している教材』です。既に述べましたが、コミュニケーション英語Ⅲの教科書音読と、総合英語参考書の例文暗記&瞬間英作文がそれです
音読学習と例文暗記は昔からある勉強法ですが、注意したいのは徹底的にやること』です。同じ文章を最低でも10回。できたら30回は音読します。音読に飽きたらCDを聞き流します。これはお風呂場や眠りに就くときでもできます。とにかく、飽きるまでやる。飽きたらやり方を変えて再び飽きるまでしつこく繰り返すことです。
教科書の音読は英文解釈と速読即解の基礎を固めます。例文暗記は文法運用力やリスニング能力・スピーキング力、そしてライティングの基礎を鍛えます。最近では音読学習を重視するようになってきて、英文朗読CD付きの長文問題集も増えていますが、当サイトでは入試問題の寄せ集めた問題集よりも、信頼性、網羅性の観点から教科書の音読を薦めます
  
教科書の音読と総合英語の例文暗記。勉強法を知っていても徹底的にやる人は少ない。

②他の受験生と同じ教材を使ってより長く勉強する
皆さんはすでに南山大学の合格者がどのような参考書を使用したか情報を持っているはずです。それは他の受験生も同じです。だとしたら、特別な才能を持たず、帰国子女でもない受験生が英語で抜きんでるためには、より長く勉強し、参考書に書かれた内容をライバルよりも多く自分のものにするしかありません。それには机に座って勉強する時間だけでは足りません。例文暗記や単語のCDを聞くなら、どんな場所でもできるはずです。お風呂や歯を磨くときなどに、ただ流しておくだけでもいいです。ふとした瞬間に「accomplish…を成し遂げる」などと1ワードでも耳に止まれば, 記憶力を確実なものにしてくれます。CDを流していなければ何も変わりません。英語力は細かい努力の積み重ねです。

3.長時間勉強してもストレスを感じない勉強法
長時間の勉強では息が詰まってしまいそうですが、私の勧める勉強法を実践すると使う教材が少ないので、勉強時間は長くてもストレスはそれほど溜まりません。夢中で音読しているうちにあっという間に深夜の2時、3時になり「もう寝る時間か~」とiPhoneのタイマーをセットして例文CDを流しながら眠りに就くことになると思います。
『使う教材は極力少なく、しかし勉強時間は極力長く』が基本です。私が受験生時代にメインで使った参考書は単語帳1冊、文法/語法問題集1冊、長文問題集1冊です。この3冊と心中する覚悟で毎日取り組んでいました。ボロボロになるまで使い込んだ本は今でも手元に残してあります。合格者にはこのように相棒とも呼べる参考書が各教科にあるものです
ここで、アドバイスをもう1つ。同じ参考書を繰り返すときは1周目と2周目、3周目でやり方を変えましょう。インプットの方法を変えることで記憶の定着率が高まります
  
筆者が26年前, 慶應(商)合格時に使用した参考書。これ以外にNHKラジオ英語会話を毎日録音して聞いていました。

英文解釈参考書について

1. 構文把握に特化した参考書

↑タイトルは「基礎」。でも、内容は高度です。
受験英語の参考書には『英文解釈』というジャンルがあります。合格体験記や参考書レビューで「英語の偏差値が一気に20上がりました」「この本を使って英語のセンターの点数が100点伸びました」といった評価を見て気になっている人もいるでしょう。
確かに、英文解釈の参考書を1冊仕上げれば長文読解、中でも構文を把握する力は飛躍的に高まります。なぜなら, この手の参考書は構文の把握が難しい英文の読み方に特化した参考書だからです。しかし、そのような難解な英文を集めているので使われている単語のレベルは高く、文章も抽象的であったりして内容は非常に難しいです。扱われている英文の出典を見ると、共通1次やセンター試験からの例文がほとんどないことに気がつきます。つまり, センター試験のレベルでは難解な構文は出題されないということです

2.南山英語攻略に必須ではない。が、使いたい人はまず単語/文法/語法を仕上げよう。

↑まずは文法・語法・単語力を固めよう!!
南山大学の長文読解問題はセンター試験よりちょっと難しい程度というのが私の分析です。確かに容易ではありませんが、難しさの原因は構文よりも、与えられる英文の量にあると思います。コミュニケーション英語Ⅲや過去問の音読をしながら構文を把握する力を磨けば、英文解釈の参考書はやらなくても南山英語は何とかなります。この手の参考書は内容をものにするまで2~3カ月はかかるので、日本史/世界史にほとんど手をつけていない受験生には不要です。受験教科全体での得点力を高めるほうに力を注ぎましょう。
それでも使いたいという方へ。英文解釈の参考書では、文法用語は既知のものとしてバンバン使われるので文法力が固まっていない人には難しいでしょう。まずは文法/語法の基礎を固め、語彙を増やしてください。単語力はセンター試験レベル程度(ターゲット1400/データベース3000/キクタンbasic4000/速単必修編)は欲しいところです。

3.センター試験の長文が読めない原因を解釈力に求めない

↑センター長文が読めない理由は…
皆さんにとって当面の目標はセンター試験の長文がスラスラ読めるようになることです。今現在、センター試験の長文を読めないのは、能動的に英語を読む訓練をしていないからであって、英文解釈の参考書をやっていないからではありません。基本的な英文解釈力は文法/語法の知識を生かし、SVOCを把握しながら教科書を音読することで磨けます。センター試験レベルでは、それで十分お釣りが来ます。1学期の間は, 文法/語法問題集3000語レベルまでの単語帳教科書音読例文暗唱をみっちりやってくださいそれでも時間が余ったら, やり方を変えて同じ教材をしつこく繰り返してください。

4.「この参考書で偏差値が上がった」という文句に踊らされず、地道に基礎力を磨こう
合否可能性や大学の難易度が偏差値で表されるからといって「偏差値が上がる」という言葉に踊らされてはいけません。偏差値とは母集団の中での相対的な位置を表すものであって, 絶対的な英語力を表す尺度ではありません
そもそも模試には発音やアクセント、会話文なども出題されるのに、英文解釈の参考書をやれば発音も良くなって、会話表現まで身に付くのでしょうか?先輩やレビュー評価者が「偏差値が上がった」というフレーズを乱発するのはそれが悩める受験生を惹きつける殺し文句だと知っているからです。悪意はないにしろ、度が過ぎれば有害です。
私が勧める勉強法はどれも地味で皆知っている当たり前のものばかりです。しかし、方法論を知っていても徹底的にやり抜く人はごく少数です。ここを踏ん張ってやるかやらないかで, 差がつくのです。

地道な努力が大事だニャー