英文解釈参考書について

1. 構文把握に特化した参考書

↑タイトルは「基礎」。でも、内容は高度です。
受験英語の参考書には『英文解釈』というジャンルがあります。合格体験記や参考書レビューで「英語の偏差値が一気に20上がりました」「この本を使って英語のセンターの点数が100点伸びました」といった評価を見て気になっている人もいるでしょう。
確かに、英文解釈の参考書を1冊仕上げれば長文読解、中でも構文を把握する力は飛躍的に高まります。なぜなら, この手の参考書は構文の把握が難しい英文の読み方に特化した参考書だからです。しかし、そのような難解な英文を集めているので使われている単語のレベルは高く、文章も抽象的であったりして内容は非常に難しいです。扱われている英文の出典を見ると、共通1次やセンター試験からの例文がほとんどないことに気がつきます。つまり, センター試験のレベルでは難解な構文は出題されないということです

2.南山英語攻略に必須ではない。が、使いたい人はまず単語/文法/語法を仕上げよう。

↑まずは文法・語法・単語力を固めよう!!
南山大学の長文読解問題はセンター試験よりちょっと難しい程度というのが私の分析です。確かに容易ではありませんが、難しさの原因は構文よりも、与えられる英文の量にあると思います。コミュニケーション英語Ⅲや過去問の音読をしながら構文を把握する力を磨けば、英文解釈の参考書はやらなくても南山英語は何とかなります。この手の参考書は内容をものにするまで2~3カ月はかかるので、日本史/世界史にほとんど手をつけていない受験生には不要です。受験教科全体での得点力を高めるほうに力を注ぎましょう。
それでも使いたいという方へ。英文解釈の参考書では、文法用語は既知のものとしてバンバン使われるので文法力が固まっていない人には難しいでしょう。まずは文法/語法の基礎を固め、語彙を増やしてください。単語力はセンター試験レベル程度(ターゲット1400/データベース3000/キクタンbasic4000/速単必修編)は欲しいところです。

3.センター試験の長文が読めない原因を解釈力に求めない

↑センター長文が読めない理由は…
皆さんにとって当面の目標はセンター試験の長文がスラスラ読めるようになることです。今現在、センター試験の長文を読めないのは、能動的に英語を読む訓練をしていないからであって、英文解釈の参考書をやっていないからではありません。基本的な英文解釈力は文法/語法の知識を生かし、SVOCを把握しながら教科書を音読することで磨けます。センター試験レベルでは、それで十分お釣りが来ます。1学期の間は, 文法/語法問題集3000語レベルまでの単語帳教科書音読例文暗唱をみっちりやってくださいそれでも時間が余ったら, やり方を変えて同じ教材をしつこく繰り返してください。

4.「この参考書で偏差値が上がった」という文句に踊らされず、地道に基礎力を磨こう
合否可能性や大学の難易度が偏差値で表されるからといって「偏差値が上がる」という言葉に踊らされてはいけません。偏差値とは母集団の中での相対的な位置を表すものであって, 絶対的な英語力を表す尺度ではありません
そもそも模試には発音やアクセント、会話文なども出題されるのに、英文解釈の参考書をやれば発音も良くなって、会話表現まで身に付くのでしょうか?先輩やレビュー評価者が「偏差値が上がった」というフレーズを乱発するのはそれが悩める受験生を惹きつける殺し文句だと知っているからです。悪意はないにしろ、度が過ぎれば有害です。
私が勧める勉強法はどれも地味で皆知っている当たり前のものばかりです。しかし、方法論を知っていても徹底的にやり抜く人はごく少数です。ここを踏ん張ってやるかやらないかで, 差がつくのです。

地道な努力が大事だニャー

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