『主述の一致』基本問題
[例題1]2014年外国語学部(英米学科) 総合政策学部(A方式) ( )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。 ( ) I know is using a smartphone these days. (A) Most people (B) Almost everyone (C) The majority (D) Many people |
「主述の一致」というテーマを忘れ、先入観抜きで選択肢を検討してみましょう。何か特徴や共通項があるでしょうか?
[選択肢を分類]
(A) Most people→形容詞+名詞
(B) Almost everyone→副詞+代名詞
(C) The majority→冠詞+名詞
(D) Many people→形容詞+名詞
選択肢は名詞/代名詞を数の程度を表す語で修飾していますね。
選択肢に似たようなものがあるときは、まず構文の要素を確認して、明らかに文法的に誤っているものを除外します。
( ) I know is using a smartphone these days.
(訳)最近では、私の知り合いの( )がスマートフォンを使っている。
空欄に入る語はbe動詞isの主語です。正しい主語を選ばせる問題ですから、問題文の動詞isと正解の選択肢には正しい呼応関係(=主述の一致)があるはずです。この『主語⇔動詞』の関係を利用して選択肢をしぼるパターンを『主述の一致』と呼んでいきます。
[主述の一致に着目!!]
( ) I know is using a smartphone these days.
(訳)最近では、私の知り合いの( )がスマートフォンを使っている。
問題文の動詞がisであるので、主語は3人称単数であることが分かります。単数/複数の観点で選択肢を再度分類すると
[単数/複数の観点で再分類する]
(A) Most people→複数扱い
(B) Almost everyone→単数扱い
(C) The majority→複数扱い
(D) Many people→複数扱い
となりますので、唯一の単数扱いとなる(B)Almost everyoneが正解になります。
[正解]
(B)Almost everyone I know is using a smartphone these days.
(訳)最近では、私の知り合いのほとんどがスマートフォンを使っている。
本問では副詞であるalmostが代名詞everyoneを修飾していますが、これは、
almost everyone=almost+every+one
と分けて考えると理解できます。
この表現は副詞almostが形容詞everyを修飾し、almost everyという形容詞句となってoneという代名詞を修飾しているのです。
もう1問解いてみましょう。
[例題2]2011年人文学部(心理人間学科・日本文化学科) ( )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。 Everyone ( ) a responsibility to help others if they can. (A) has (B) have (C) had (D) haven’t |
今回もまずは選択肢を検討してみましょう。
選択肢には動詞haveの現在形/過去形、単数/複数、(現在完了)否定形などが並んでいます。
選択肢が似たようなもので構成されているときは、まず選択肢をしぼる文法的なキーワードがないか探し、正解候補をしぼったあとで内容を考えます。
この問題では(助)動詞haveという共通項があるので『正しい時制と単数/複数を決定するヒントは問題文の中にあるはず』という意識で問題文を見ていきます。
[時制と単複を決定するキーワードは?]
Everyone ( ) a relationship to help others if they can.
空欄( )の次に名詞(a relationship)が来ているので(D)haven’tは文法的に誤りです。
[例題1]にも登場しましたが、文頭にあるEveryoneは単数扱いの目印です。よって、正解候補は(A)has、(C)hadの2つにしぼられました。
残るは時制の決定ですね。
[時制を決める要素は?]
Everyone ( ) a relationship to help others if they can.
(訳)もし出来るのならば、全ての人が他人を助ける責任が(ある/あった)。
時制を示すキーフレーズは末尾にありました。if節がcanを用いているので主節が過去形となるのは不適です。以上から正解は(A)hasになります。
[正解]
Everyone (A)has a relationship to help others if they can.
(訳)もし出来るのならば、全ての人が他人を助ける責任がある。
まとめ
『主述の一致』パターン単独での出題はほとんどありませんが、この考え方は誤り指摘問題でも頻出です。主語から動詞、動詞から主語を決定するテクニックとして覚えておきましょう。