第4講「選択肢の表現に惑わされない」

今回は、前回学んだキーワード読解法を補完する内容です。

キーワードが本文に現れない場合
設問文からキーワードを抽出して本文を読み進めても、選んだキーワードが文中に現れないことがあります。これは出題者が受験生の読解力を測る目的で、意図的に表現を変えているためだと思われます。

どのような形で出題されるのか、問25でもう一度確認してみましょう。

25. According to the passage, Stewart suggests that Salopek (      ).
(訳)本文の一節によれば、スチュワートはサロペックが(      )ことを提案している。
キーワード→Stewart suggests that …
(A) get enough food and rest
(B) spend time with local people
(C) walk only about 30 kilometers a day
(D) visit tourist attractions

問25では、スチュワート氏のサロペック氏に対する提案の内容を問われていますので、英文中でスチュワート氏の提案が記述される部分を見落とさないよう、キーワードにはStewart suggests that …を選びます。

問25は4問目の内容真偽問題ですので、第4段落に見当をつけて本文を読んでいきます。すると2行目にRory Stewartという英国の政治家が登場しますが、選んだキーワードのsuggest(提案する)という単語は第4段落を最後まで読んでも現れません。この場合、次の段落を読んだ方がいいのでしょうか?

私が南山の過去問を解いてきた経験から、内容真偽問題の正誤を判定するための根拠文は4つとも同じ段落に含まれます。
この場合はキーワードの表現が本文では言い換えられている可能性を考えます

キーワードが言い換えられている可能性を考えておく
もう一度、問25の設問文を見てください。

25. According to the passage, Stewart suggests that Salopek (      ).
(訳)本文の一節によれば、スチュワートはサロペックが(      )ことを提案している。
キーワード→Stewart suggests that …

私は、Stewart suggests that …というキーワードを選んだ時点で「キーワードのsuggestsが他の動詞に言い換えられているかも?」ということを考えながら第4段落を読んでいました。
理由は「~を提案する」という意味のsuggestにはproposeなどの同意語が多数存在するからです。

また『提案』というのはStewart氏の『主張』でもあるので、argue that …(…だと主張する)などに言い換えられている可能性も考え、Stewart氏個人の見解に関する記述に注意しながら読んでいたのです。すると、最後の1文にこうあります。

He recommends that Salopek follow his example.
(訳)彼(=Stewart氏)はサロペックが彼の先例に倣うことを推奨している

recommend(推奨する)とは控えめな提案(=suggest)ですから、この文がキーワードを含む文と考えられます。問25は、この直前の記述を読めば正解の選択肢が選べるようになっています。

固有名詞以外のものをキーワードに選ぶ場合は、言い換えられている可能性に注意しながら本文を読むように練習しておきましょう。

-南山長文読解問題の解き方4-
固有名詞以外のものをキーワードに選ぶ場合は、言い換えられている可能性に注意しながら本文を読もう


選択肢の表現に惑わされない

キーワードを含む段落を一通り読んだら選択肢の正誤を検討していきます。このとき、キーワードの言い換え同様、選択肢の表現が本文中の表現と言い換えられていることが多いので、注意が必要です
逆に、この言い換えられた表現をきちんと理解できる力が南山で求められている読解力なのです。

問25の選択肢を検討してみましょう。

25. According to the passage, Stewart suggests that Salopek (      ).
(訳)本文の一節によれば、スチュワートはサロペックが(      )ことを提案している。
(A) get enough food and rest
(B) spend time with local people 正解(地元の人々との時間を過ごす)
(C) walk only about 30 kilometers a day
(D) visit tourist attractions

正解は(B)なのですが、この根拠となる文は第4段落8行目の、

[問25の正解根拠文]
Stewart enjoyed spending time with his hosts.

(訳)スチュワート氏は彼を受け入れた主たちとの時間を楽しんだ。

です。この文と選択肢(B)を比べてみましょう。

選択肢(B)spend time with local people
本文spending time with his hosts

選択肢と本文でwithの目的語が異なっていますが、第4段落の内容を読み取れていれば、local people=his hostsということがわかります。
英文の内容を把握できていない受験生には誤りに思えてしまいますが、これが出題者の狙いです。南山の長文読解問題では、正解選択肢の表現は本文と異なる場合が多いようです

次は問24を検討しましょう。

24. According to the passage, Salopek says that car ownership (      ).
(訳)本文の一節によれば、サロペックは車を所有することは(      )だと述べている。
(A) is quite common in Ethiopia
(B) is a terrible thing for people’s lives
(C) makes it harder to appreciate our environment 正解(私たちの環境を正しく理解することをより難しくしている)
(D) makes it easier to visit places in poor countries

正解は(C)です。本問も選択肢と本文の表現を比較してみましょう。

選択肢(C) : to appreciate our environment (私たちの環境を正しく理解すること)
本文 : our appreciation of the world around us (私たちを取り囲む世界に対する理解)

本文では名詞句(appreciation of …)で表現されていますが、選択肢では名詞用法の不定詞(to appreciate …)に表現が言い換えられています。

もう1問、問26を検討してみます。

26. According to the passage, Salopek hopes his approach to reporting will (      ).
(訳)本文の一節によれば、サロペックは彼の報道に対する取り組みが(      )となることを望んでいる。
(A) interest people who use smartphones
(B) show how world issues impact local communities 正解(世界の問題がどのように地域共同体へ影響を与えているかを示す)
(C) focus on sensational stories
(D) introduce unusual stories about traveling

選択肢(B) : show how world issues impact local communities
本文 : focus on how the local communities … are affected by global issues

問26の正解選択肢は本文と2か所の表現が言い換えられています。
focus on(焦点を当てる)→show(示す)
are affected by(~の影響を受ける[受動態])→impact(~に影響を与える[能動態])

このように、選択肢の表現と本文中の表現は言い換えられている場合がほとんどなので、選択肢の表現が一言一句そのまま本文に見つかることはないといって良いでしょう

まとめ
過去問を解く場合は正解/不正解に一喜一憂するのではなく、誤りの選択肢も含めて、言い換えのパターンを研究してみてください。毎日続ければ、実戦的な語彙力や文法の力もついていくでしょう。何度も言いますが、1日1問(1段落)の積み重ねが読解力を高めます。コツコツ頑張りましょう。

-南山長文読解問題の解き方5-
選択肢の表現は本文中の表現から言い換えられている!!
過去問演習を通して言い換えのパターンを学ぼう!!

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