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第7講「⑤前置詞vs接続詞vs副詞パターンの解き方」

問題は以下のホームページを各自で参照してください。

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2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]

文法/語法問題の場合と同じ解き方
空欄補充問題でも選択肢が前置詞/接続詞/副詞で構成された問題が出題されます。ただし、出題数は少なく、各日程で1、2問ぐらいです。
『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンの解き方は、文法/語法問題の場合と基本的に同じです。ただ、出題者側で文意を読み取れているか確認する意図があるのか、選択肢を2つ(または3つ)にしぼったあと、文脈で最適なものを選ばせるタイプが多いです。この点、選択肢を前置詞/接続詞/副詞に分類すれば一発解決することも多い文法/語法問題と異なります。

前置詞vs接続詞vs副詞パターン

2019 人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部
問35
. 以下の文章が完成するように、空欄(  35  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
Many of Gaudi’s models of the church were damaged in 1936 (  35  ) the outbreak of the Spanish Civil War…
[語句] outbreak(名)[悪いことの]発生、the Spanish Civil War「スペイン内乱」
(A) following
(B) since
(C) while
(D) because

設問へのアプローチ方法はいつも通りです。空欄を含む箇所まで読み進めたら、まずは選択肢を見比べてどんな特徴があるかを掴みます。

[選択肢の分類]
(A)following前置詞「~に引き続いて」
(B)since前置詞/接続詞「~以来」
(C)while接続詞「~している間に」
(D)because接続詞「~なので」
『前置詞vs接続詞vs副詞』のうち副詞がありませんが、このような場合でも『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンとして解くことが可能です。このパターンでは空欄の語が文のどんな要素をつないでいるか?という点に着目します。

[空欄の語は何と何をつないでいるか?]
Many of Gaudi’s models of the church were damaged in 1936 (  35  ) the outbreak of the Spanish Civil War

空欄のあとには名詞句the outbreak of the Spanish Civil Warが続いているので、(  35  )には名詞をつなぐ働きをする前置詞が入ると推測できます。
選択肢のうち前置詞は2つ[(A)following、(B)since]ですが(B)since完了時制で用いるので正解は(A)followingになります

例題に選んだ2月11日出題の『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンはこの1問のみです。他の日程で出題されたものをいくつか紹介しておきます。

2019 外国語学部(フランス学科、アジア学科)・経済学部
Ⅵ 問59
. 以下の文章が完成するように、空欄(  59  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
An usually large number of ships and planes have disappeared (  59  ) passing through this area.
[語句] pass through ~「~を通り過ぎる」
(A) as
(B) during
(C) along
(D) while
問59解答(D) while
(訳)非常に多くの船や航空機が、この区域を通過する間に消息を断ってきました。
[解説] 選択肢から『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンであること判別できたら、空欄の語が文中の、どの要素をつないでいるかに着目します。
空欄のあとにはpassing through this areaと一見、動名詞句が続いているように見えますが、(      )とpassingの間には主語(ships and planes)とbe動詞が省略されています。よって、空欄の語はをつなぐはたらきをしているので、接続詞が入ることになります。
選択肢の中で接続詞の働きを持つものは(A)as(~する間)と(D)while(~している間に)ですが、asにはas doingという用法はできないので(D)whileが正解になります。
2019 外国語学部(フランス学科、アジア学科)・経済学部
Ⅵ 問63
. 以下の文章が完成するように、空欄(  63  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
It is logical then that there would be a higher number of accidents in this area (  63  ) its increased traffic volume.
(A) because
(B) despite
(C) as for
(D) due to
問63解答(D) due to
(訳)増加した交通量の為に、この地域で事故の数が多くなるのももっともだ。
[解説] (C)as forと(D)due to前置詞句の形ですが、選択肢から『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンであることが一目瞭然です。空欄のあとにはits increased traffic volume(増加した交通量)と名詞が続くので、ここでは名詞をつなぐはたらきをもつ前置詞()が入ると推測できます。
選択肢中に前置詞(句)は3つあり、それぞれ
(B)despite「~にもかかわらず」
(C)as for「~について言えば」
(D)due to「~のために」
という意味です。
交通量の増加↑」のために「事故の増加↑」につながるというロジックから(D)due toが最適です。
2019 人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
Ⅵ 問57
. 以下の文章が完成するように、空欄(  57  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
A child in New York might pretend to be an airplane (  57  ) a child living on a farm might pretend to be a horse.
[語句] pretend to be A「[子供が]Aである真似をして遊ぶ」
(A) since
(B) because
(C) whereas
(D) whenever
問57解答(D) whereas
(訳)ニューヨークに暮らす子供が飛行機の真似をして遊ぶ一方で、農場で暮らす子供は馬の真似をして遊ぶかもしれない。
[解説] 選択肢(C)whereasは見慣れない単語ですが、南山大学では頻出の接続詞です。特に『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンで誤った選択肢の1つとして紛れていることが多いです。
本問では全ての選択肢が接続詞用法をもつので、文脈で解くことになります。選択肢それぞれの意味は、
(A)since「~して以来/~なので」
(B)because「なぜなら~」
(C)whereas「~だが一方…」
(D)whenever「~するときはいつでも/いつ~しようとも」

前半のA child in New York might pretend…と空欄以降のA child in a farm might pretend…は文の構成が同じでニューヨークと田舎を対比した内容になっていますので、(C)whereas「~だが一方…」が最適です
2019 法学部国際教養学部
Ⅲ 問33
. 以下の文章が完成するように、空欄(  33  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
Many organizations are inspiring and supporting teenagers and young adults to be social entrepreneurs. (  33  ) these organizations, the field of social entrepreneurship has expanded significantly.
[語句] social entrepreneur「社会的企業家」
(A) In fact
(B) Thanks to
(C) Except for
(D) Indeed
問33解答(B) Thanks to
(訳)多くの組織が10代の少年少女や若年層の若者たちを促して、社会的企業家になるための支援を行っています。これらの組織のおかげで、社会的企業の領域は著しく拡大してきました。
[解説] 南山の過去問を解きなれてくると、選択肢の(A)In fact「実際に」副詞句、(B)Thanks to「~のおかげで」前置詞句、を確認したところで『前置詞vs接続詞vs副詞』のパターンであると勘づきます。
残りの2つの品詞を確認したら、空欄の語が文中のどの要素をつないでいるかをチェックしましょう。

空欄のあとは「these organizations,」と名詞が続いたあとカンマで区切られています。よって、空欄の語は名詞をつなぐはたらきをしているので、前置詞(句)が入ることになります。
選択肢の中で前置詞の働きを持つものは(B)Thanks toと(D)Except for(~をを除いて)ですが、前文からthese organizationsの活動が社会的企業の活動を活性化させたので(B)Thanks toが正解になります。

まとめ
空欄補充問題での『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンも解き方は文法/語法問題のときと変わりません。
空欄に入る語が、文の要素の何と何をつなぐかに着目して品詞を特定したあとは、文脈に最適なものを選びましょう。

『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンの解き方[空欄補充問題]
1.空欄が現れたら選択肢を見比べる
選択肢が前置詞/接続詞/副詞で構成されている→『前置詞vs接続詞vs副詞』パターン
[例] 選択肢が, (A)that( (B)during()  (C)since(/)  (D)even()
前置詞/接続詞/副詞で構成されているので『前置詞vs接続詞vs副詞』パターンである。

2. 空欄を含む文の構文をチェックして、空欄の語が何と何をつなぐか確認して正解候補をしぼる構文的アプローチ
[例]
1.空欄が名詞をつないでいる→前置詞
2.空欄がをつないでいる→接続詞
3.空欄はなにもつないでいない(空欄は文全体(または文の要素)を修飾している)→
副詞

3.正解候補が複数ある場合、文脈に合うものを選ぶ文脈的アプローチ

第6講「④他動詞vs自動詞パターンの解き方」

お断り…今回扱う『他動詞vs自動詞』パターンですが、例題に選んだ2019年2月11日の問題での出題がなかったため、他の日程で出題された問題を解説します。

他動詞vs自動詞パターン

2019 人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
Ⅲ問28.
以下の文章が完成するように、空欄(  28  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
…Parents complain that excessive play can (  28  ) with study and daily responsibilities.…
[語句] excessive(形)過度の、極端な
(A) disturb
(B) prevent
(C) interfere
(D) bother

まずは選択肢を見比べてどんな特徴があるかを掴みます。

[選択肢の分類①]
(A)disturb他動詞「~を混乱させる」
(B)prevent他動詞「~が(…するのを)妨げる[from doing]」
(C)interfere自動詞「邪魔をする」
(D)bother他動詞/自動詞「(他)~を悩ます/(自)思い悩む」

「混乱させ」たり、「邪魔をし」たり、「妨げ」たりと、意味の近い動詞が並んでいますね。意味で区別しにくい場合は、文法/語法知識で解ける可能性が高いということです。そこで構文を確認してみることにしましょう[構文的アプローチ]

[構文的アプローチ]
…Parents complain that excessive play can (  28  ) with study and daily responsibilities.
本問で着目していただきたいのは、空欄直後のwithです。空欄に入る動詞は目的語を取らないので、空欄(  28  )には自動詞が入ると推測できます。

選択肢の中で自動詞の用法を持つものは(C)interfereと(D)botherです。それぞれwithを伴うと、以下のような意味になります。

(C) interfere with A「Aを妨げる」
(D) bother with A「Aで思い悩む」

文法的にはどちらも正しいので、あとは文脈に照らして最適な法を選びます[文脈的アプローチ]

[文脈的アプローチ]
…Parents complain that excessive play can (  28  ) with study and daily responsibilities.
(訳)「親たちは過度に(テレビゲームで)遊ぶことが、勉強や日々の責務(  28  )[(C)interfereを妨げる(D)bother「で思い悩む」]可能性があると不満を言っている

excessive play(過度に遊ぶこと)に人格はないので「思い悩む」ことはありません。よって、(C)interfereが正解になります。

2019 外国語学部(英米学科)総合政策学部
Ⅲ問32.
以下の文章が完成するように、空欄(  32  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
However, the benefits of their midday meal may (  32  ) depending on where the children live, how long they are given to eat their meal, …
[語句] midday(名)正午、真昼 / depending on A(前)「Aに応じて、A次第で」
(A) transform
(B) modify
(C) vary
(D) adjust

まずは選択肢を見比べてどんな特徴があるかを掴みます。第1印象としては、動詞が多いな…ってところでしょうか。

[選択肢の分類]
(A)transform他動詞「~を変形させる」
(B)modify他動詞「~を修正する」
(C)vary他動詞/自動詞「(他)~に変化を与える/(自)異なる」
(D)adjust他動詞/自動詞「(他)~を適合させる/(自)順応する」

何かを「変える」という意味の動詞が多いですね。他動詞と自動詞が混じっているので、どちらかを切れないか構文を分析してみましょう[構文的アプローチ]。選択肢を減らせれば、文脈的アプローチも楽になります。

[構文的アプローチ]
However, the benefits of their midday meal may (  32  ) depending on where the children live, how long they are given to eat their meal, …
本問では空欄のあとに前置詞句depending onが続いていることがポイントになります。これを動名詞と勘違いすると、正解には辿り着けません。
このdepending onから、空欄(  32  )に入る動詞には目的語がないと分かりますので自動詞が入ると確定します。これで選択肢は(C)varyと(D)adjustの2つにしぼられました。あとは、文脈にふさわしい方を選びます。

[文脈的アプローチ]
However, the benefits of their midday meal may (  32  ) depending on where the children live, how long they are given to eat their meal, …
(訳)「しかし、彼らが昼食から得られる恩恵は、子供たちがどこに住み、食事を摂る時間をどれだけ長く与えられているかに応じて(  32  )[(C)vary異なるだろう(D)adjust「順応するだろう」]

文脈にふさわしいのは(C)varyですね。これが正解になります。最後にもう1問練習してみましょう。

2019 法学部国際教養学部
Ⅵ問65.
以下の文章が完成するように、空欄(  65  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
Finally, you might want to (  65  ) a group that is working to protect coral reefs…
[語句] coral reef(名)サンゴ礁
(A) join
(B) contribute
(C) belong
(D) participate

今回も選択肢を見比べてどんな特徴があるかを把握していきましょう。解答手順はいつも同じです。

[選択肢の分類]
(A)join他動詞「~に参加する」
(B)contribute他動詞/自動詞「(他)~を提供する/(自)貢献する(to)」
(C)belong自動詞「所属する(to)」
(D)participate自動詞「参加する(in)」

自動詞/他動詞問わず、組織に「加わる」という意味の動詞が多いですね。選択肢が意味の近い語で構成されているということは、文脈では解きづらいということです。
今回も他動詞と自動詞が混じっているので、どちらかを切れないか構文を分析してみましょう。

[構文的アプローチ]
Finally, you might want to (  65  ) a group that is working to protect coral reefs…
選択肢中にSVCの語法をもつ動詞がないので、空欄(  65  )直後の名詞a group(団体)目的語と推測できます。よって、空欄(  65  )には他動詞が入ります。
他動詞用法をもつものは、(A)joinと(B)contributeですから、あとは文脈で解決しましょう。

[文脈的アプローチ]
Finally, you might want to (  65  ) a group that is working to protect coral reefs…
(訳)「最終的に、あなたはサンゴ礁を守るために取り組んでいる団体(  65  )[(A)joinに参加したく」(B)contribute「を提供したく」]なるかもしれません

他動詞contributeは目的語にmoneyfoodなどを取ります。団体寄付」したり、「提供」するのはおかしいので、正解は(A)joinになります。

まとめ
『他動詞vs自動詞』パターンは解法を知っていれば解けるものではありません。基本となるのは基本動詞1つ1つの自/他の区別語法を理解していることです。
知っている単語でも、改めて辞書を引いてみれば意外な発見があるものなので、こまめに辞書を引いて語法や例文を参照することをお勧めします。

『他動詞vs自動詞』パターンの解き方
1.選択肢を見比べる
選択肢がすべて動詞で(かつ、似たような意味で)ある→まずは他動詞/自動詞の分類で選択肢をしぼる
2.空欄(      )の後の語に注目して他動詞/自動詞の判定をする構文的アプローチ
(      )名詞(      )には他動詞が入る(SVCの自動詞の場合もあり)
(      )前置詞+名詞(      )には自動詞が入る
(      )
副詞/形容詞(      )には自動詞が入る
(      )
なし→(      )には自動詞が入る

3.正解候補が2つあるときは文の内容にふさわしいものを選ぶ文脈的アプローチ

第5講「③語法パターンの解き方」

問題は以下のホームページを各自で参照してください。

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2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]

語法問題を得点源にしよう

2019空欄補充問題パターン別出題数ベスト5(115問中の出題数)
1.『文脈』問題       62問
2.『語法』         16
3.『前置詞』           9問
3.『他動詞vs自動詞』       9問
5.『前置詞vs接続詞vs副詞』    6問
その他                                                        13問

2019年に出題された空欄補充問題115問中、語法問題は16問でした。各日程で1問以上は出題されていることになります。
語法問題はほぼ文法/語法の知識だけで正解を導くことができるので、英文の全体内容が把握できない状況でも解くことが可能です。
過去問をこなすうちに、短時間で解けそうな問題が分かるようになるので、入試本番で残り時間が少なくなった状況では、語法問題だけを選んで解くのも1つの方法です。

文法/語法問題での解き方と同じ
空欄補充問題で語法問題が出題された場合の解き方は、文法/語法問題の場合と同じです。
選択肢の構成や構文から語法問題の可能性を判断したら、空欄前後の英文構造の中に、前置詞や不定詞など、正しい選択肢を決定するヒントを探します〔=構文的アプローチ

動詞の語法が頻出
2019年に空欄補充で出題された語法問題16問のうち、動詞の語法13を占めました。論点になった語法をいくつか紹介しておきます。

2019年の出題論点例 [動詞の語法]
be frighten of A「Aを怖いと思う」ofに結びつく動詞を選ばせる
make O C「OをCにする」SVOCの語法をもつ動詞を選ばせる
allow A to do「Aが~することを可能にする」SVO to doという語法をもつ動詞を選ばせる
happen to do「たまたま~する」to doに結びつく自動詞を選ばせる
leave A done「Aが~されるままにしておく」SVOCの語法をもつ他動詞を選ばせる
put A into B「AをBにつぎ込む」SVO1 into O2の語法をもつ他動詞を選ばせる

特定の前置詞につながる動詞や、「他動詞目的語to do」の語法をもつ動詞の出題が多いようですが、ヤマを張るのは危険です。この2つに限らず、文法/語法問題集に載っている語法は形容詞副詞名詞も含めて、満遍なくマスターしておきましょう。

それでは実際に問38を解いてみましょう。

2019 人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部
問38
. 以下の文章が完成するように、空欄(  38  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
Gaudi said he did not (  38  ) that he would not be able to finish the church.
(A) upset
(B) regret
(C) guilt
(D) shame

空欄を含む箇所まで読み進めたら、まずは選択肢を見比べてどんな特徴があるかを掴みます。

[選択肢の分類①]
(A)upset他動詞「~をだめにする」
(B)regret他動詞「~を後悔する」
(C)guilt他動詞「~に罪悪感を感じさせる」
(D)shame他動詞「~を恥じさせる」

すべて他動詞で、意味も違います。それじゃあ文脈で解こうか…という気持ちになりますが、そのまえに構文を確認しておきましょう。

[構文的アプローチ]
Gaudi said he did not (  38  ) that he would not be able to finish the church.
本問で着目して欲しいのは空欄直後のthatです。他動詞の中にはthat節を目的語に取れる/取れないという分類があることを思い出してください。その視点で改めて選択肢を分類してみましょう。

[選択肢の分類②]
that節を目的語にできるか否かで再分類。
(A)upset that不可
(B)regret that「~ということを残念に思う」
(C)guilt that不可
(D)shame that不可

主に名詞として用いられるguiltやshameの他動詞用法は分かりませんが、他動詞regretthat節を目的語にとるという語法知識は重要です。よって正解は唯一that節を目的語にできる(B)regretです。念のため文脈で確認しておきましょう。

[意味の確認]
Gaudi said he did not (38)regret that he would not be able to finish the church.
(訳)「ガウディはその教会を完成できなくても残念には思わないだろうと言った」

意味も文脈に適合しているので、これが正解になります。

まと
語法問題は空欄補充問題で出題されても解き方は文法/語法問題の場合と同じです。問題文全体を読まずに解けることも多いので、本番では必ず得点できるよう、問題集の語法問題は繰り返し解いて、身につけておきましょう。

 『語法』パターンの解き方[空欄補充問題]
1.選択肢を見比べる
選択肢すべてが同一品詞、または品詞は異なるが意味が近い場合→語法パターンの可能性あり
2.空欄前後や選択肢から語法を特定するヒントを探す
[例] 動詞の語法の場合
・目的語に動名詞(またはto不定詞)だけをとるか否か?
特定の前置詞と結びつく語法を持つか否か?
that節を目的語にとるか否か?
SVOCSVO1O2の構文になっていないか?

第4講「②前置詞パターンの解き方」

問題は以下のホームページを各自で参照してください。

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2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]

1.『前置詞』問題には2種類ある
文法/語法問題ゼミの第12講でも解説したように、空欄に入れるべき選択肢がすべて前置詞の場合は、2種類の解法があります。

1つは、熟語やイディオムを構成する前置詞を問われている場合。
もう1つは、文脈に合う意味をもつ前置詞を問われている場合です。

2種類に分かれる『前置詞』パターンですが、解き方は同じなので安心してください。

選択肢から『前置詞』パターンだと判断したら、まず構文を分析して、空欄前後に特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします。これを構文的アプローチ』と呼んでいきます。構文的アプローチとは文法語法構文の知識で正解選択肢を決定する解法です。

構文的アプローチによる解法で選択肢が1つに決まらなければ、問題文の内容に最もふさわしい意味をもつ前置詞を選ぶという解法に切り替えます。これを文脈的アプローチ』と呼んでいきます。文脈的アプローチは、文法的に正しい選択肢の中から文意に最も合うものを選ぶ解法です。

『前置詞』パターンでは、どんな問題でも先に構文的アプローチを試みてください
なぜなら、look forward to doing(~するのを楽しみに待つ)のような定型的な言い回しの中の前置詞は見つけやすいからです。

『前置詞』パターンの解法ステップ
1段階他の語との組み合わせで前置詞を選ぶ構文的アプローチ
(構文的アプローチで正解が決まらない場合)
2段階:文脈に合う意味をもつ前置詞を選ぶ文脈的アプローチ

これらを実際に問題を解きながら確認してみましょう。

2.構文的アプローチによる解法

2019 人文学部(心理人間学科、日本文化学科)・理工学部
問30. 以下の文章が完成するように、空欄(  30  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。

Many people claim that modern technology, including video games, keeps young people (  30  ) communicating with others.
[語句] claim that …「…であると主張する」
(A) from
(B) away
(C) off
(D) out

選択肢(B)awayは副詞ですが、他はすべて前置詞ですので前置詞パターンの方針で解いてみます。

まずは特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックしましょう[=構文的アプローチ]

[①構文的アプローチ]
Many people claim that modern technology, including video games, keeps young people (  30  ) communicating with others.

空欄を含むthat節の述語動詞はkeepsで、その目的語はyoung peopleです。そして空欄後には動名詞communicating with othersとなっています。ここで、他動詞keepをキーワードとして、

keepO(目的語)前置詞doing

を満たす前置詞(副詞)が選択肢の中にないかチェックします。すると、(A)fromだけがこれを満たします。

keep A(目的語) from doing「Aが…することを妨げる」

念のため、空欄にfromを入れた場合の意味を確認しておきましょう。

[意味の確認]
Many people claim that modern technology, including video games, keeps young people (30)from communicating with others.
(訳)多くの人々が、テレビゲームを含む現代のテクノロジーが若者たちが他人とコミュニケーションをとるのを妨げると主張している。

内容的にも本文の文脈に合致するので、これが正解になります。

2.文脈的アプローチによる解法
実は、空欄補充問題において構文的アプローチの段階で解ける前置詞問題は少数で、ほとんどが文脈的アプローチで解くことになります。文法/語法の知識だけで解けてしまっては、長文の中に空欄を設ける意味がないからでしょう。

構文的アプローチの解説で他の日程の問題を使ったのは、例題で選んだ問題に構文的アプローチで解くタイプの問題がなかったからです。

2019 人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部
問31
. 以下の文章が完成するように、空欄(  31  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
One reason for it not being completed is that when architect Antoni Gaudi took charge of the project a year after it started, he (30)abandoned the original plans in favor of a more elaborate design, (  31  ) anything the world has ever seen.
(A) different
(B) except
(C) besides
(D) unlike

本問では選択肢(A)differentだけが形容詞ですが、他はすべて前置詞の用法をもつ語ですから、前置詞パターンで解いてみましょう。まずは特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします[=構文的アプローチ]

[①構文的アプローチ]
…, he (30)abandoned the original plans in favor of a more elaborate design, (  31  ) anything the world has ever seen.

heで始まる節の述語動詞は問30で選んだ他動詞abandonedで、その目的語はthe original plansです。(  31  )で始まる部分は直前をカンマで区切られていることから、付加的に情報を補足していると考えられます。この部分にはthe world has never seenというSVを含む節がありますが、これは直前の代名詞anythingを修飾する関係代名詞節です。

このように、構文分析から特定の前置詞と組み合わせになりそうな語が見つからない場合は、文の内容にふさわしい意味を持つ前置詞を選ぶ方針に切り替えます[=文脈的アプローチ]

[②文脈的アプローチ]
…, he (30)abandoned the original plans in favor of a more elaborate design, (  31  ) anything the world has ever seen.

(訳)彼はより込み入ったデザインを好んで当初の計画を捨てました。(そのデザインは)世界が今までに見たことのあるもの( 31 )[(A)different形容詞のため不可(B)except「を除いて」(C)besides「を加えて」(D)unlike「とは違って」]いました。

(  31  )を含む部分は直前のa more elaborate design「より込み入ったデザイン」を説明しているので、そのデザインが「誰も見たことのないもの→見たことのあるものとは違った」という意味になる(D)unlike「~と違った」が最適です。

もう1問練習で解いてみましょう。

2019年人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・経営学部
問63
. 以下の文章が完成するように、空欄(  63  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
Music lovers can hear these instruments played (  63  ) the project’s website…
(A) in
(B) on
(C) with
(D) to

明らかに前置詞パターンですから、まずは構文を分析して空欄前後に特定の前置詞との組み合わせで使われる語がないかをチェックします。

[①構文的アプローチ]
Music lovers can hear these instruments played (  63  ) the project’s website…
この文は以下のような構文になっています。
S=Music lovers「音楽愛好家たちは」
V=can hear「聴くことができます」
O=these instruments「これらの楽器が」
done=played「演奏されるのを」

[②文脈的アプローチ]
空欄直前にあるplayed(受動態)の目的語はthese instrumentsですから、空欄の前置詞は熟語の一部ではなく、(  63  ) the project’s website全体で副詞句を作ると考えられます。
意味としては、
「そのプロジェクトのウェブサイト上で(これらの楽器が演奏されている)」
とするのが最適なので(B)onが正解になります。

このonは『手段/方法』を表し、過去には「電話(インターネット)で」という場合での出題があります。

『手段/方法』のon
[例] We talked on the phone.「私たちは電話で話した」
[例] Bob searched for information about the singer on the Internet.「ボブはインターネットでその歌手に関する情報を探した」

第3講「①文脈パターンの解き方」

それでは実際に問題を解いていきましょう。問題は以下のホームページを各自で参照してください。

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2019年英語過去問[人文学部、外国語学部、経営学部]

最頻出の文脈問題
空欄補充問題を解く場合の第1ステップは、選択肢から出題パターンを見抜いて文法/語法/構文の知識で選択肢をしぼることです。しかし、文法的にすべて正しいという状況が多々あります

この場合、与えられた英文の内容に最もふさわしいものを選ぶのですが、このような『文脈問題』が空欄補充問題全体の半数を占めているので、解き方の手順を学んでおく必要があります。

文脈を読み取る」といっても、複雑な構文や英文解釈の細かい知識は必要ありません。南山大学で出題される英文は総合英語参考書に載っている例文がきちんと頭に入っていればじゅうぶん対応できるレベルです

例文学習を一通り終えたら、語彙を増やしていきましょう。センター試験レベルの単語帳を中心に、南山大学の過去問に出てくる単語を覚えていくのがお勧めです。南山では繰り返し既出の語彙を用いた問題が出題されています。過去問を解いたあとは、正解選択肢以外の単語も語義/語法を辞書で確認しておきましょう。

文脈問題を解いてみよう

問29. 以下の文章が完成するように、空欄(  29  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
The foundation stone of the Sagrada Familia Church in Barcerona was laid in 1882. At the time (  29  ) would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.
(A) everybody
(B) anybody
(C) nobody
(D) somebody

空欄が現れるまでは英文の内容把握に努めながら読んでいきましょう。

[内容把握]
The foundation stone of the Sagrada Familia Church in Barcerona was laid in 1882.
(訳)バルセロナ市にある聖家族教会の礎石は1882年に置かれました。

At the time (  29  ) would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.
(訳)その当時、(  29  )はその建物が1世紀以上あとになってもまだ完成していないことを想像したでしょう。

the Sagrada Familia Churchはスペイン出身の建築家、アントニオ・ガウディの設計による教会建築で、日本語では「聖家族教会」と呼ばれています。この建物に関して、最も有名なことは建築が始まって1世紀以上経ってもなお、未完成である、ということです。この予備知識があれば、解答はすぐにわかるのですが、1問目ですから手順通り丁寧に解いてみます。

[①選択肢の検討]
選択肢を含む文まで読み進めたら、選択肢を検討して、出題パターンの判別をします。
(A) everybody (代)「誰でも」
(B) anybody (代)「どの人も」
(C) nobody (代)「誰も…ない」
(D) somebody (代)「誰か」
選択肢はすべて代名詞でした。

[②構文的アプローチ]
これらの代名詞はすべて単数扱いをするのですが、空欄(  29  )に入れた場合、どれもが文法的に正しいので、文法/語法の知識では正解を選ぶことはできません。このように、文法/語法の知識で選択をしぼることができない場合は、文脈から最適なものを選ぶ方針に切り替えます。

[③文脈的アプローチ]
それでは空欄に選択肢を当てはめていきましょう。

At the time (  29  ) would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.

(訳)「その当時、(  29  )[(A)everybody誰もが、(B)anybodyどの人も、(C)nobody誰も…(想像)しなかった(D)somebody誰かが]その建物が1世紀以上あとになってもまだ完成していないことを想像したでしょう」

建物の建築に1世紀以上もかかるということは、通常考えられない事態ですから、選択肢の中で唯一、否定の意を含む(C)nobodyが正解になります。

[正解]
At the time (29)nobody would dreamed that the building would still not be complete more than a century later.
(訳)その当時、誰もその建物が1世紀以上あとになってもまだ完成していないことを想像しなかったでしょう。

問30. 以下の文章が完成するように、空欄(  30  )に(A)~(D)のうちから最も適切なものを一つ選びなさい。
One reason for it not being completed is that when architect Antoni Gaudi took charge of the project a year after it started, he (  30  ) the original plans in favor of a more elaborate design, …
[語句] take charge of A「Aを引き受ける」/ in favor of A「Aの方を選んで」/ elaborate (形)手の込んだ
(A) abandoned
(B) reduced
(C) deserted
(D) removed

1文が結構長いのですが、構造自体は簡単です。本問も空欄まで行きついたら選択肢を確認して、設問パターンを判別しましょう。

[内容把握]
One reason for it not being completed is that when architect Antoni Gaudi took charge of the project a year after it started, …
(訳)それ(=サグラダ・ファミリア教会)が完成されていない1つの理由は、建築が始まって1年後に、建築家アントニ・ガウディがその計画を引き受けた時…

… , he (  30  ) the original plans in favor of a more elaborate design, …
(訳)彼はより込み入ったデザインを好んで当初の計画を(  30  )しました。

空欄(  30  )まで読み進めたので選択肢を検討しましょう。

[①選択肢の検討]
(A) abandoned (他)「~を捨てる」
(B) reduced (他)「~を減らす」
(C) deserted (他)「(人)を見捨てる」
(D) removed (他)「~を取り除く」

[②構文的アプローチ]
選択肢はすべてSVO型の他動詞です。空欄の動詞がとる目的語は1つ(=the original plans「当初の計画」)だけなので、すべての選択肢を空欄に入れることが文法的に可能です。よって、本問は文脈パターンで解くことになります。

[②文脈的アプローチ]
… , he (  30  ) the original plans in favor of a more elaborate design, …
(訳)「彼はより込み入ったデザインを好んで当初の計画を(  30  )[(A)abandoned捨てました/ (B)reduced「減らしました」(C)deserted「見捨てました」 / (D)removed「取り除きました」]。

アントニ・ガウディが「さらに凝ったデザインを好んで(in favor of a more elaborate design)」、元々の計画を(  30  )した結果が、聖家族教会の完成していない理由の1つですから「完全に放棄する」という意をもつ(A)abandoned「捨てた」が最適です。(C)desertedも「捨てる」という意味をもちますが、「(地位場所)を見捨てる」という意味になるのでここでは不可です。

今回は始めの2問だけ解いてみました。残る12問のうち文脈問題が9問ありますので、手順を確認しながらご自身で解いてみてください。

文脈パターンの解法手順
1.英文を頭から読み進め、空欄まできたら初めて選択肢を検討する。

2.選択肢を検討し品詞などの特徴から、パターンを判別する(パターンの判別は文法/語法問題の場合と同じ)

[例] 2019人文/経営学部Ⅵ
[問58] Another played a trumpet (  58  ) together with tape.
(A)made (B)repaired (C)caught (D)held
→選択肢はすべて他動詞の過去分詞形。直前のa trumpetを修飾していて文法的にどれも正しい→文脈パターン

[問59] The instruments had been (  59  ) unused in the city’s schools.
(A)left (B)remained (C)rejected (D)gone
→本文は、S+(  59  )+the instruments+unusedという構文を受動態にしたもので、59の動詞はSVOCの語法をもつ→語法(動詞)パターン→選択肢中、唯一SVOCの語法をもつ(A)leftが正解。

3.文脈パターンであると判断したら、文意に最適なものを選ぶ。