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誤り指摘問題の頻出論点(2)完了形

頻出論点(2)「完了形」
完了形に誤りがあった問題は、ほぼ毎年どこかの日程で出題されているので確実にマスターしておきたい論点です。

完了形に関する正誤判断で一番多いのが、受動態で表現すべき内容が能動態で書かれている場合です。今回はこの論点を中心に学んでいきます。

1.能動態→受動態のパターン

 [例題1] 2016法学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
It’s noon. The mail (A)should have delivered by now. I (B)wonder why it (C)hasn’t arrived yet. Perhaps there is (D)a problem with the mail today.
(訳)正午です。もう今頃には郵便は届けられているはずなのに。なぜまだ届かないのかしら。ひょっとして今日は郵便に何か問題があるのかも。

 本問では下線部(A)(C)完了形です。まずは下線部(A)を含む文を抜き出して検討してみます。

The mail (A)should have delivered by now. 
(郵便今頃、配達しているはずだ)

主語であるthe mailは他動詞deliverの目的語となるべき配達される側(影響・作用を及ぼされる側)ですから、この文は本来受動態で書かれなければなりません。
よって下線部(A)は誤りです。正しくは下線部(A)を受動態にして、

The mail should have been delivered by now.
(郵便は今頃、配達されているはずだ)

とします。

下線部(C)も完了形です。これは正しい表現ですが、その理由を検討しておきましょう。

I wonder why it (C)hasn’t arrived yet.
(なぜまだ郵便は届かないのかしら)

まず、why節の主語it=the mailということはわかりますか?
下線部(A)の場合と同じくthe mailが主語であるのに能動態のままでOKの理由は、arrive自動詞だからです。自動詞は受動態を作りません。

以上のことから、能動態受動態パターンで気をつけたいのは過去分詞が他動詞の場合です


2.完了形の「時」が問われている場合

完了形に下線が引かれている場合、もう一つ注意したいのが完了形の表す「」です。

[例題2] 2017外国語学部(フランス語学科・アジア学科)・経済学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Rodney (A)has served as (B)president of the student council for two years (C)until he (D)graduated from high school in 2015.
(訳)ロドニーは2015年に高校を卒業するまで生徒会長を2年間務めた。

本問では、下線部(A)が完了形です。前半を抜き出してみます。

Rodney (A)has served as (B)president of the student council for two years…
(ロドニーは2年間生徒会長を務めた)

本問では下線部(A)に頻出項目である完了形を見つけた時点で、ここを念入りに検討する方針を立てます。
serveは「勤める」という意味の自動詞ですから「」の問題でなさそうです。serve as Aで「Aとして働く」という意味になります。

さらに完了形で確認しておきたいのは完了形で表すことが適切かどうか?ということです。

Rodney (A)has served as (B)president of the student council for two years (C)until he (D)graduated from high school in 2015.
(ロドニーは2015年に高校を卒業するまで生徒会長を2年間務めた)

until以下が「2015年の卒業」という、過去のある時を基準に、その時点までの動作の継続を表しているので、主節は過去完了形で表さなくてはなりません。よって、誤りは(A)です。正しくは次のようになります。
なお、下線部(D)のgraduate他動詞と間違えやすい自動詞として有名です。

Rodney (A)had served as (B)president of the student council for two years (C)until he (D)graduated from high school in 2015.
(ロドニーは2015年に高校を卒業するまで生徒会長を2年間務めた)

類題

 [問題1] 2014法学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Consumers (A)are becoming more aware of (B)the need for a healthy diet.
Supermarkets now sell more (C)naturally-grown produce, especially vegetables that (D)have produced without chemicals.

問題1 [解説](D)have produced→正have been produced
(訳)消費者は健康的な食事の必要性にますます気づきつつあります。スーパーマーケットでは現在、自然に育てられた生産物、とりわけ化学肥料不使用で作られた野菜を多く売ることが増えています。
選択肢(A)~(C)はどこに誤りがあるのか論点に見当がつきませんが、下線部(D)は頻出の完了形ですから、まずはここを詳しく検討する方針で解いていきます。直前のthatは主格の関係代名詞で、先行詞vegetablesです。vegetablesは他動詞produced影響が及ぼされる側ですから、正しくは受動態となるべきです。
[問題2] 2011人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
When Megumi (A)hung up the phone, she told us that our theater seats (B)had given to someone (C)else but that (D)other seats would be available in a few days.
問題2 [解説](B)had given→正had been given
(訳)メグミは電話を切ってから、私たちの劇場の座席は他の誰かに譲られたが、数日のうちに別の席が用意されるだろうと私たちに告げた。
下線部(B)は完了形に引かれているので、まずはここに注目します。主語であるour theater seats与えられる物ですから、正しくは受動態になります。
[問題3] 2017法学部国際教養学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
Apple (A)turned forty in March, 2016 and is now a very different company (B)from the one (C)that Steve Jobs and Steve Wozniak (D)have launched in a small garage in 1976.
問題3 [解説](D)have launched→正launched
(訳)アップル社は2016年3月に40周年を迎えた。そして、今ではスティーブ=ジョブズやスティーブ=ウォズニアックが1976年に小さなガレージで創業した会社とまったく異なるものになっている。
まず(B)は「Aとは異なる」be different from Aで使われる正しい前置詞、(C)thatは目的格の関係代名詞でthe oneを先行詞とする正しい使い方です。
残るは(A)turnの用法(D)完了形ですが、まずは頻出分野の完了形を攻めていきます。
関係詞節の中にin 1976過去の一点を表す語があるので、この関係代名詞節は完了形ではなく、過去形であらわすべきなので(D)は誤りです。
なお、(A)に関してはturn+[年齢・時間・数量]で「~を超す, ~に達する」という意味で正しい表現です。しかし、この用法を知らなくても完了形をしっかり理解しておけばこの問題には対応できるので、細かい知識に振り回されないようにしましょう。それでも心配な方は、過去問に出たものだけは覚えておきましょう。
[問題4] 2011人文学部(キリスト教学科・人類文化学科)・経済学部
以下の文の下線を付けた語(句)のうち、一つが誤りです。その誤りを(A)~(D)のうちから選びなさい。
We have been (A)informed that the park will be closed (B)until new safety measures (C)have taken to make sure (D)that children won’t get hurt on the equipment there.
問題4 [解説](C)have taken→正have been taken
(訳)私たちは、子供たちが設備で怪我をしないよう確実にするための新しい安全対策が取られるまで、公園が閉鎖されるという通告を受けた。
new safety measures
(新しい安全対策)はtake(~を採用する)される側なので動詞は受動態でなければなりません。

第3講「設問からキーワードを抜き出そう」

今回は設問文からキーワードを抜き出し、本文中に現れるキーワード周辺を精読していく方法(キーワード読解法)を解説します。
これは別段、特別な方法ではなく受験生が普通に行っているものですが、名前をつけて意識することで長文読解問題の円滑な処理を目的としています。

キーワード読解法のメリットは、本文を読む前に、あらかじめ設問文に登場するキーワードを頭に入れておくことで、問題を解くために重要な箇所がどこなのかがハッキリすることです。
キーワードに関係なさそうな場所は、大まかに内容を把握して読み進め、キーワードを含む文まで来たらスピードダウンして精読します。本文は長いのでメリハリをつけて読めるよう過去問で練習しておきましょう。

-南山長文読解問題の解き方3-
設問文からキーワードを抜き出し、メリハリをつけて本文を読もう!!

それでは過去問を使ってキーワード読解法を解説していきましょう。

解説にあたって使用する問題は、2017年に人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部で出題されたものを利用しますので、お手元の赤本、もしくは以下のサイトを参照してください。

大学受験パスナビ(外部サイト)
2017年南山大学過去問[人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部]

キーワードを設定できる設問は内容真偽問題である2122242526です。
これらの設問を使ってキーワード読解法の手順を学んでいきましょう。

キーワード読解法の手順
1.設問文からキーワードを抜き出す

21. According to the passage, Salopek has already traveled through (      ) on his seven-year walk.
キーワードseven-year walk
(訳)本文の一節によれば、サロペックは7年に渡る徒歩旅行ですでに(      )を旅行した。
(A) Alaska
(B) Chile
(C) the Middle East
(D) California

まず、設問文からキーワードを抜き出します。キーワードの選び方に決まった方法はありませんが具体的な名詞がある場合はそれを選ぶとうまくいくことが多いようです。
問21では「7(=seven)」という具体的な数字が入っていることからseven-year walkを選びました。問題によってはキーワードを2つ以上選ぶこともあります。

問22、24、25、26のキーワードは以下のように選ぶと良いでしょう。

22. Which of the following is true about Salopek’s Out of Eden Walk?
(訳)サロペックの『アウト・オブ・エデン・ウォーク』について正しいものは下記のもののうちどれか?
キーワード→Out of Eden Walk
24. Accordingly to the passage, Salopek says that car ownership (      ).
(訳)本文の一節によれば、サロペックは車を所有することは(      )だと述べている。
キーワード→car ownership
25. Accordingly to the passage, Stewart suggests that Salopek (      ).
(訳)本文の一節によれば、スチュワートはサロペックが(      )ことを提案している。
キーワード→Stewart suggests that…
26. According to the passage, Salopek hopes his approach to reporting will (      ).
(訳)本文の一節によれば、サロペックは彼の報道に対する取り組みが(      )となることを望んでいる。
キーワード(2つ)→①Salopek hopes (that), ②his approach to reporting

2.本文中にキーワードが出現する段落を探す
キーワードを抜き出したら、次はそのワードが本文中に現れる段落を探します。
内容真偽問題は1段落に1問出題され、設問の順番は段落の順番と同じなので、1問目の設問を読んでキーワードを抽出したあと、第1段落を読み始めるのが良いでしょう。

設問からキーワードseven-year walkを抜き出して、第1段落を読み進めると2行目にさっそくキーワードが登場します。

He was staring out on a seven-year walk along one of the routes taken by early humans who migrated out of Africa.
(訳)彼はアフリカから移住した初期の人類が辿った経路の1つに沿う7年間の徒歩旅行に出発しようとしていた。

選んだキーワードと全く同じ語句seven-year walkが出てきたので、精読に切り替えて注意深く読んでいき、選択肢の正誤を判定するという流れです。

ここで気をつけたいのは、キーワードに選んだ語と本文中で使われる語が必ずしも同じとは限らないということです。出題者が受験生の読解力を測る目的で、意図的に本文中の表現を設問で言い換えている場合が多いです。
この点に関しては次回、第4講『選択肢の表現に惑わされないで解説したいと思います。

キーワードに選んだ語と本文中で使われる語が必ずしも同じとは限らない!!
問25を参照してください。
25. According to the passage, Stewart suggests that Salopek (      ).
(訳)本文の一節によれば、スチュワートはサロペックが(      )ことを提案している。
キーワードStewart suggests that …
[解説]
設問文ではスチュワート氏の提案内容がどんなものか?と問われているので、Stewart suggests that …というスチュワート氏の主張を表す節をキーワードに選びますが、本文ではsuggest(提案する)という単語は使われておらず、
He recommends that Salopek follow his example. (彼はサロペックが彼の先例に従うことを推奨している)
recommend(推奨する)に言い換えられています。このようにキーワードが言い換えられている場合も多いので、注意が必要です。

3.迷ったら選択肢の中からもキーワードを拾う
キーワードを含む段落を精読したら、(A)~(D)の選択肢を吟味していきます。このとき、設問が正しいものを選ばせているのか、誤りを指摘させようとしているかに注意しましょう。

正誤の判断に迷ったら, 選択肢の中からキーワードを拾って、そのキーワードについて記述された箇所に戻ります。問22を見てください。

 22. Which of the following is true about Salopek’s Out of Eden Walk?
(訳)サロペックの『アウト・オブ・エデン・ウォーク』について正しいものは下記のもののうちどれか?
キーワード→Out of Eden Walk
(A) He takes less than a week to travel 160 kilometers.
(B) He is paying for his trip himself.
(C) He writes just once a year about his travels.
(D) He walks roughly 4,000 kilometers a year.

キーワードにOut of Eden Walkを選ぶことに異論はないと思います。内容真偽問題2問目にして、このキーワードが登場するのは第2段落であることも確認してください。
第2段落はサロペック氏のOut of Eden Walkについての概要が記述されています。第2段落を読み終えて、選択肢(A)を見ると、

(A) He takes less than a week to travel 160 kilometers. (彼は160キロ旅するのに1週間以下しか要しない)

となっていますが、サロペック氏が旅行するペースを直接記述している箇所はありませんので、正誤が不明です。このような場合、選択肢の中からキーワードを拾って段落に戻ります

[選択肢からキーワードを拾う]
(A) He takes less than a week to travel 160 kilometers.
キーワードa week, 160 kilometers

選択肢からキーワードを選ぶ場合もなるべく具体的な名詞を選ぶ方がうまくいきます。今回はa week160 kilometersの2つを選びました。まずは160 kilometersを含む文を探すと、第2文の後半に見つかります。

[キーワードを含む文を探す]
Salopek submits one major article a year …, but updates his magazine blog with stories approximately every 160 kilometers, usually every seven to ten days. (サロペックは年に1度主要な記事を投稿している…しかし、自身のブログは約160キロごと、大抵は7日から10日ごとに記事を更新している)

選択肢(A)の内容は「彼は160キロ旅するのに1週間以下しか要しない」とありますが、本文では、160キロ旅するごとに投稿するブログの更新ペースが7日から10日と言っているので誤りだということが分かります。

このように選択肢の正誤で迷ったら、選択肢の中からキーワードを拾って、そのワードが含まれる付近を丁寧に読んでいき選択肢の正誤を判定します。

まとめ
キーワード読解法はやり方を理解するだけでは本番で使えません。適切なキーワードの選び方や、選択肢の正誤判定などは実際に過去問を解きながら身につけていくしかありません。まずは1日1問(1段落)で構わないので、長文読解問題に取り組むようにしてください。

-南山長文読解問題の解き方3-
設問文からキーワードを抜き出し、メリハリをつけて本文を読もう!!

第2講「設問の英文を正確に把握しよう」

長文読解問題では設問も英語で書かれています。見慣れない単語もあったりと、受験生は何となく意味を汲み取っているのではないのでしょうか?
設問で何を問われているか正確に把握できなければ、正解を得ることはできませんので、まずは設問の英文をしっかり読みましょう。

-南山長文読解問題の解き方2-
設問の英文を正確に把握しよう

設問英文の具体例
According to the passage…(本文によると…)
[解説] passageは「一定の意味のある文の集まり」のことを指し、ここでは与えられた問題文全体、つまり本文を指しています。

[例] According to the passage, Salopek has already traveled through (      ) on his seven-year walk.
(訳)本文によれば、サロペックは7年に渡る徒歩旅行ですでに(      )を旅行した。
[語句] according to A「Aによる と」/ passage(名)(文・曲の)一節, 引用部分


Which of the following is true about …? 
(…について正しいものは下記のもののうちどれか?)
[解説] the following(次に述べるもの)とは設問の選択肢(A)~(D)を指しています。
選択肢の中から誤ったものを1つだけ選ばせる場合は、

Which of the following is NOT true about …? (…について正しくないものはどれか?)
となります。たいていの場合、出題者が配慮してNOTを大文字にしてくれていますので、正しいものを選ばないように注意しましょう。

[例] Which of the following is true about Salopek’s Out of Eden Walk?
(訳)サロペックの『アウト・オブ・エデン・ウォーク』について正しいものは下記のもののうちどれか?
[語句] the following「下記のもの, 次に述べるもの」
[例] According to paragraph three, which of the following is NOT mentioned as necessary to be media literate?
(訳)第3段落によると、メディア・リテラットであるために必要であることとして述べられていないものはどれか?
[語句] paragraph(名)段落, 節 / literate(名)読み書きのできる人 / mention A as B「AをBであると言う」
[例] Which of the following is closest in meaning to the underlined phrase (21)?
[訳] 次に述べるもののうち、下線部(21)の表現に意味上もっとも近いのはどれか?
[語句] meaning(名)意味 / underline(他)~に下線を引く / phrase(名)句, 表現


Which of the following best fits in A?
 
(下記のもののうちどれがAに最適か?)
[解説] 問題文中の空欄に最もふさわしい語句を選ばせる場合です。fitは「ぴたりとはまる」という意味の自動詞です。

[例] Which of the following best fits in (  23  )?
(訳)空欄(  23  )に入れるのに最適なものは下記のもののうちどれか?


Choose from [A] to [D] the most appropriate place in the passage in which to include the following sentences
(下記の文を含むべき本文の最適な箇所を[A]から[D]の中から選びなさい)
[解説] これは、まとまった文を問題文中の最適な場所に入れさせる場合です。chooseと目的語the most appropriate placeの間from [A] to [D]が挿入されています。
後半のpassage in which to include the following sentencesは文語的な表現でto不定詞の形容詞的用法passage to include the following sentences inと同意です。「~するべき…」などと訳すのが良いでしょう。

 [例] Choose from [A] to [D] the most appropriate place in the passage in which to include the following sentence :
(訳)次に述べる文が文中に入るべき最適な場所を[A]から[D]の中から選びなさい
[語句] appropriate(形)適切な / include A in B「AをBに入れる」/ following(形)次の, 次に述べる

まとめ
英文読解スピード向上に直接役立つ内容ではありませんが、正解を得るためには、普段見慣れない英語で書かれた設問を正確に把握しなくてはなりません。
今回は長文読解問題の設問で使われた言い回しを集めてみましたが、自身でも過去問に取り組む際は設問をきっちり読むようにしてください。小さなことですが、これをやっておくとことで、本番では心理的なアドバンテージになるでしょう。

-南山長文読解問題の解き方2-
設問の英文を正確に把握しよう