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第6講/語法

『語法』パターンとは語法の知識を用いて、正しい使い方となる選択肢を選ぶパターンをいいます。
語法の中でも、動詞名詞形容詞副詞からの出題が多いので、まずは文法/語法問題集で基本的な知識を身につけておくことが大事です。

 1.動詞の語法

[例題1]2015年経営学部理工学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。

When Jane’s father moved to Spain, he (      ) her his collection of old paintings.
(A) left
(B) kept
(C) remained
(D) provided

まずは選択肢を検討してみましょう。今回は異なる意味の動詞が並んでいますね。(      )の直後に代名詞her(目的語)がきているので自動詞である(C)remainedを除外します。

選択肢を検討したので、問題文の構文を分析していきましょう。

[構文を分析する]
When Jane’s father moved to Spain, he (      ) her his collection of old paintings.
(訳)ジェーンの父親はスペインに移住する際、彼女に古い絵画のコレクションを(     )した。

(      )の後に目的語が2つ(herhis collection of old paintings)あることに注目です。
このことから(      )に入る動詞はSVO1O2の語法を持つ動詞であることが分かります。

選択肢の中でSVO1O2の語法をもつ動詞は(A)leftのみなので、これが正解になります。
leave OO2O1(人)O2(物)を残す」という語法です。

leave O1O2O1(人)にO2(物)を残す」
[例] She left him some of the food. (彼女は彼に料理を少し残しておいた)
= She left some of the food for him.

選択肢の中で(D)provided「~を与える」は意味が当てはまりますが、この場合の語法は、

provided her with his collection of old paintings

となり、withが必要となるため不可です。

provide A with B「AにBを供給する」
[例] We provided the children with lunch. (私たちは子供たちに昼食を与えた)
= We provided lunch for the children.

この問題のように個々の単語の当てはまり度ではなく、語法の観点から正しい使い方をしている選択肢を選ばせるパターン『語法』と呼んでいきます。
『語法』パターンだと判明しても、選択肢個々に関する語法の知識がなければ正解を導くことはできません。解法の基本となるのは、地道に蓄えた語法の知識だということを忘れないでください。


2. 名詞の語法

[例題2]2012年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Susan really has a talent (      ).
(A) of cooking
(B) to cooking
(C) for cooking
(D) by cooking

選択肢はすべて「前置詞cookingの形になっていますね。
正しい前置詞を決定する問題ですから、それぞれの前置詞がもつ意味を1つづつ文脈に当てはめていけば解けそうですが、その方法を実践する前に、文法的に解けないか考えてみましょう

Susan really has a talent (      ).
(訳)スーザンには本当に料理の才能がある。

ここでは(      )の前にあるtalent才能」に注目します。
talentと結び付いて「~の才能」という場合は a talent for ~という使い方をします。よって名詞talentの語法により、正解は(C)for cookingとなります。

a talent for AAに対する(生まれつきの)才能
[例]
She already showed a talent for drawing in her teens. (彼女は10代ですでに絵の才能を見せた)

 

3. 形容詞の語法

 [例題3]2015年外国語学部(英米学科)・総合政策学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
We need to get together to discuss this problem. Could you let me know when you are (      )?
(A) acceptable
(B) available
(C) possible
(D) convenient

選択肢を眺めると、すべて形容詞であることに気がつきます。
それぞれの選択肢は(A)受け入れられる、(B)利用できる、(C)可能な、(D)都合の良いという意味です。
このように選択肢が同品詞意味が類似している場合は『語法』問題である可能性を疑ってみます

We need to get together to discuss this problem. Could you let me know when you are (      )?
(訳)この問題を話し合うため集まる必要があります。いつ(      )なのか教えてもらえませんか。

『語法』問題であるならば、正解を選ぶためのヒントは(      )の前後にあるはずです。本問ではwhen you are (      )?に着目できるかがポイントになります。

形容詞の中には、叙述用法では人を主語にすることができないものがあることを覚えているでしょうか?このタイプの代表が(C)possibleと(D)convenientで、(A)acceptableもこの仲間です。

これに対して(B)availableは人を主語にして「体があいている, 会うことができる」という意味で使うことができます。

available「(補語として)会うことができる、体が空いている」
[例] I’m afraid I’m not available to meet this afternoon. (今日の午後はお会いできそうにありません)

よって正解は(B)availableになります。解説では問題文の訳を載せましたが、結果的に問題を解くのに必要だったものは、選択肢の分類とwhen you are (      )?という名詞節だけでした


4. 副詞の語法

[例題3]2012年外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ、フランス、ドイツ、アジア学科) 法学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Almost (      ) Japanese people  over twenty years old have a driver’s license.
(A) all
(B) of
(C) all of
(D) every

選択肢を眺めてみると(A)形容詞、(B)前置詞、(C)形容詞+前置詞、(D)形容詞という組み合わせになっています。どのような基準で分類してよいものかちょっと迷ってしまいます。
分類に困った場合は時間がもったいないので、さっそく問題文を検討していきます。

Almost (      ) Japanese people  over twenty years old have a driver’s license.
(訳)20歳以上の日本人のほとんど(      )は運転免許を持っている。

まずは(      )の前後を検討します。(      )直前のalmost副詞ですので動詞・形容詞・副詞を修飾し、通例修飾する語句の前に置きます
「~のほとんどすべて」という意味でalmostを用いる場合、almost all ~almost all the ~almost all of the ~の形になります。これらの表現は南山英語で頻出ですから、よく覚えておいてください。

almostは副詞なので、直後にofをとることはできません。以上のことから正解は(A)allとなります。本問は、副詞almostの語法に関する設問でした。

まとめ

 『語法』パターンの解き方
1.選択肢を見比べる
選択肢すべてが同一品詞、または品詞は異なるが意味が近い場合→『語法』パターンの可能性あり
2.空欄前後や選択肢から語法を特定するヒントを探す
[例] 動詞の語法の場合
・目的語に動名詞(to不定詞)だけをとるか否か?
特定の前置詞と結びつく語法を持つか否か?
thatを目的語にとるか否か?etc…

第5講/態

『態』パターンとは、選択肢が同一動詞の受動態能動態で構成されているものをいいます。
出題側の事情として、『態』単独では選択肢が受動態と能動態の2つしか作れませんので、他の文法分野と絡めた出題が多いのが特徴です。中でも、第4講で解説した『時制』問題との混合問題が頻出です。

1.『態』基本パターン

[例題1]2014年経営学部・理工学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Next week, our meeting (      ) on Wednesday instead of Friday.
(A) will be held
(B) will hold
(C) will be holding
(D) will have held

今回も問題文を読む前にまず選択肢を眺めてみましょう。
すると、各選択肢にwillが含まれていることに気がつきます。すべて未来形ですから時制以外の観点で選択肢を分類してみます。

[選択肢の分類]
(A) will be held受動態
(B) will hold能動態
(C) will be holding能動態(進行形)
(D) will have held能動態(完了形)

選択肢の検討から、本問で問われているのは、
受動態or能動態
単純未来or未来進行形or未来完了形
ということになります。

本問の選択肢群のように、同一動詞の受動態と能動態が混在するパターンを『態』と呼ぶことにします

それでは問題文を検討していきましょう。

Next week, our meeting (      ) on Wednesday instead of Friday.
(訳)来週、私たちのミーティングは金曜日に代えて、水曜日に(      )。

まずは態を決定しましょう。態を決定するには動詞holdの目的語に注目します

[holdの目的語は何?]
Next week, our meeting (      ) on Wednesday instead of Friday.

選択肢にある動詞hold他動詞なので直後に目的語が必要です。しかし(      )のあとには、on Wednesday instead of Friday(金曜日に代えて、水曜日に)と副詞句が続き、目的語がありません。
このような場合は、
holdの目的語が主語になっている→受動態
と考えるとつじつまが合います。

よって正解は唯一の受動態である(A)will be heldです。

参考までに、問題文を能動態に直すと、

[問題文を能動態にすると…]
Next week, we will hold our meeting on Wednesday instead of Friday.

となります。他動詞holdour meetingを目的語にとっていることを確認してください。

2.『時制』と『態』のコラボ問題
第0講選択肢から出題パターンを見極めようで扱った問題をもう一度解いてみましょう。

[例題2]2016年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
English (      ) at this elementary school since 1904.
(A) was taught
(B) has been taught
(C) taught
(D) is taught

いつも通り、まずは選択肢の分類です。
選択肢には動詞teachが共通して使われていますね。

[選択肢の分類]
(A) was taught過去形/受動態
(B) has been taught現在完了形/受動態
(C) taught過去形/能動態
(D) is taught現在形/受動態

選択肢は3種類の時制2種類ので構成されています。この問題は前回学んだ『時制』と今回の『態』のコラボレーション問題になっています。
解き方は、『時制』の場合は問題文中の『時』に関係するキーワードを探し、『態』の場合は他動詞の目的語に注目するんでしたね。

それでは問題文を見ていきましょう。

English (      ) at this elementary school since 1904.
(訳)この小学校では1904年以来、英語が(      )。

まず『態』の観点から見ていきましょう。

選択肢に共通な動詞teach他動詞ですが(     )の直後には目的語がありません。そこで、teachの目的語Englishが主語となり、受動態の文になったと考えます
ここで正解候補は(A)、(B)、(D)にしぼられました。

次に『時制』を決定するキーワードを探しましょう。『時』に関係する語は前置詞sinceしかありませんね。
~以来という意味でのsinceは通例、完了時制を用いるのが原則ですので、選択肢の中で唯一の完了時制である(B)has been taughtが正解になります。

[正解]
English has been taught at this elementary school since 1904.

(訳)この小学校では1904年以来、英語が教えられている

まとめ

 『態』パターンの解き方
1.選択肢を見比べる
選択肢に同一動詞の受動態能動態が混在している→『態』パターン
[例] 選択肢が、
(A) was taught受動態
(B) has been taught受動態
(C) taught能動態 (D) is taught受動態
→動詞teachに関して2つの態が存在する『態』パターンである。

2.動詞の目的語に注目して態を決定する
[例] English (      ) at this elementary school since 1904.
teach他動詞であるが、空欄後に目的語がないので受動態になっていると考える。

演習①動詞の形

[問題1]2017外国語学部(英米学科)・総合政策学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、 (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Robert couldn’t find his keys anywhere, so he gave up (      ) for them.
(A) look
(B) looking
(C) to look
(D) looked
問題1【解答】(B) looking
(訳)ロバートは鍵がどこにも見つけられなかったので、探すのを諦めた。
[解説] 選択肢が動詞lookが変化したものになっている典型的な『動詞の形』パターンです。空欄直前のgive upは動名詞だけを目的語にとるので(B)lookingが正解になります。
[語句] give up doing「~するのをやめる」
[問題2]2017人文学部(キリスト教学科、人類文化学科)・外国語学部(スペイン・ラテンアメリカ学科、ドイツ学科)・経営学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、 (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Lisa’s piano playing became so good that her parents encouraged her (      ) at it.
(A) to keep
(B) keep
(C) keeping
(D) kept
問題2【解答】(A) to keep
(訳)リサのピアノの演奏はとても素晴らしかったので、彼女の両親は頑張って続けるよう彼女を励ました。
[解説] 選択肢を見比べると、全て動詞keepが変化したもの[ (A)to不定詞, (B)原形, (C)ing形, (D)過去形(過去分詞) ]になっているので『動詞の形』パターンです。
このパターンでは空欄を含む英文の構造に着目して、文法/語法の知識から正解を導いていきます。
本問では空欄の前にあるencouragedに着目できるかがポイントになります。encourageは「SVO to do」の形をとる動詞なので(A) to keepが正解です。
[語句] encourage A to do「Aに~するように励ます」/ keep at A「A(仕事など)を続けて[熱心に]する」
[問題3]2017法学部国際教養学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、 (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
(      ) Noriko did not have enough time to study, she did quite well on the quiz.
(A) To consider
(B) Considered
(C) Considering
(D) Consider
問題3【解答】(C) Considering
(訳)ノリコに勉強する時間が十分になかったということを考えれば、彼女は小テストでとてもよくやった。

[解説] 選択肢を見比べると、全て動詞considerが変化した『動詞の形』パターンであるということが分かります。

本問では空欄の後にSVの揃った (Noriko did not have enough time to study) が続いていることに気づけるかがポイントになります。
空欄の語は前半と後半の節をつなぐ働きをしているので、選択肢の中で唯一の接続詞である(C) Considering(~であることを考えれば)が正解になります。
[語句] considered(形)良く考えた上での / considering (that) S V(接)SがVであることを考えれば(= given (that) S V) /(前)~を考慮すれば
[問題4] 2018外国語学部(フランス学科、アジア学科)・経済学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、 (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Please remember to switch off the light when (      ) the room.
(A) to leave
(B) leaving
(C) leave
(D) left
問題4解答(B) leaving
(訳)部屋を出るときは、忘れずに電気を消しておいてください。

[解説] 選択肢には動詞leaveの様々な形が並ぶ『動詞の形』パターンです。本問では、when (      ) the roomが文法的に正しくなるような選択肢を選びましょう。(C) leaveを除いた残りの3つは文法的に入れることが可能ですが、文意から「(あなたが)部屋を出るとき」という意味になる(B) leavingが正解になります。
[問題5] 2018法学部国際教養学部
(      )内に入れるのに最も適当なものを、 (A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
I know a lot about Spanish grammar, but when it comes (      ), I’m not so good.
(A) for speaking
(B) to speak
(C) to speaking
(D) speak
問題5解答(C) to speaking
(訳)私はスペイン語の文法について多くを理解しているが、話すこととなると、あまり得意ではない。
[解説] 動詞speakが変化したもので選択肢が構成された『動詞の形』パターンです。このパターンでは空欄前後をチェックして、動詞の形を決定するキーワードを探していくのが基本的な解き方です。
when it comes to doingで「~することになると」という意味なので、「to動名詞」である(C) to speakingが正解になります。
[語句] when it comes to doing「~することになると[関しては]」

第4講/時制

『時制』パターンとはその名の通り、同一動詞の時制変化のみで選択肢が構成されたパターンをいいます。
このパターンでは、与えられた英文の中に時制を決定するヒントが必ずあるので、それに気がつけるかがカギになります。

『時制』の基本パターン

[例題1]2016年経営学部理工学部(A方式)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。

Ken will not let me go home until I (      ) my work.
(A) finished
(B) had finished
(C) will finish
(D) have finished

文法/語法問題では、まず選択肢の分類を行うのでしたね。今回の選択肢にはどんな特徴があるでしょうか?

最初に気がつくのは、すべての選択肢に動詞finishが登場していることです。はたして、これは第1講で扱った動詞の形でしょうか?
実際に選択肢を分類してみましょう。

[①選択肢の分類]
(A) finishedfinish過去形

(B) had finishedfinish過去完了形
(C) will finishfinish未来形
(D) have finishedfinish現在完了形

『動詞の形』では-ing-edなどの分詞や、to-不定詞が含まれていたのに対して、本問では時制の違いのみです。
このように同一動詞の時制変化のみで選択肢が構成されているパターン『時制』と呼んでいきます。

『時制』パターンであると判断したら、問題文の中に空欄の時制を決定するヒントを探していきます。ここで初めて問題文を読んでいきます。

[②時制を決定するヒントを探す]
Ken will not let me go home until I (      ) my work.

(訳)ケンは私が仕事を終えるまで帰宅させてくれないだろう。

時制を決定するヒントになりそうなものを青字にしておきましたが、ここではuntilに注目です。
接続詞untilは『時』を表す副詞節を導き、その副詞節中では未来のことでも現在形を用います

…ということで、(      )に入る時制は現在形になるはずですが、選択肢には現在形がありません。ここまでの考え方が間違っていたのでしょうか?

実は本問は、現在完了形(D)have finishedが正解になります。
教科書的にはfinishが正解になるところですが、ネイティブの間では、時を表す副詞節中におけるfinishの扱いはfinishhave finishedも区別なく使われるようです

ここまでの知識を持っている受験生は少ないので、この設問では次善の策として消去法を使います。
(A)過去形、(B)過去完了形、 (C)未来形を消して、現在形にもっとも近い(D)現在完了形を残すのが無難な解答法かと思います。

たまたま選んだ問題が難問でした。口直しに、易しめの問題で練習してみましょう。

[例題2]2013年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
My younger brother Victor (      ) English since he was six years old.
(A) has been learning
(B) is learning
(C) was learning
(D) learns

選択肢(A)~(D)まで、すべて動詞learnの時制が変化したものが並んでいるので『時制』パターンですね。
時制パターンであると判断したら、時制を決定するヒントを問題文中に探します。そうです、今回のヒントはsinceです。

[時制を決定するヒントを探す]
My younger brother Victor (      ) English since he was six years old.

since『過去の始点』を表し、since節が過去時制で、主節が現在完了時制になることが多いです。よって正解は現在完了(進行)であるの(A)has been learningです。

残りの選択肢についても考察しておきましょう。

since節で「彼が6歳のとき以来」と言っているので、その時点から主節の動作が継続していると考えられます。
(B)is learningは現在進行形で今現在の動作を表しているので不可。
(C)was learningは過去進行形で過去のある時進行中だった動作を表すので不可。
(D)learnsは現在形で現在の状態を表すので不可。

今回学んだ『時制』パターンは他のパターンと絡めて出題されることも多いです。特に、次回扱う『態』との混合パターンが頻出です。
どのような問題でも、選択肢の中に複数の時制があれば、時制を決定するヒントは問題文の中に必ずあるということを念頭において問題に取り組みましょう。

まとめ

『時制』パターンの解き方
1.選択肢を見比べる
同一動詞の時制変化のみで選択肢が構成されている→『時制』パターン
[例]選択肢が、
(A) finished  (B) had finished
(C) will finish  (D) have finished
→動詞finishの時制が変化した『時制』パターンである。
2.問題文の中に時制を決定するキーワードを探す
[例]2014年人文学部・経済学部
Bob (    ) drifting in a small boat for two days before he was found.
(A) has been  (B) is
(C) had been 正解 (D) have been
彼が発見された時点までdrifting(漂流)していたのであるから、過去完了進行形である(C)had beenが正解である。

第3講/他動詞vs自動詞

『他動詞vs自動詞』パターンとは、似たような意味の動詞が並んでいて、正解を導く過程で、空欄(      )に入るべき動詞が他動詞自動詞かを判定する作業が必要なものをいいます。
このパターンでは、空欄直後に目的語があるかないかに注目します。

1.『他動詞vs自動詞』基本パターン

[例題1]2015年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
The bus from Tokyo (      ) the station early in the morning.
(A) reached
(B) came
(C) arrived
(D) got

どんなパターンでも最初に選択肢の分類を行います。本問では、4つの選択肢にどのような特徴があるでしょうか?

(A)reached(C)arrivedには到着するという意味がありますね。(B)came(D)gotにも「到達」を表す用法があります。

これら4つは意味が近いので、和訳した本文の空欄に訳語を当てはめるとすべて、

(訳)東京からのバスは早朝、駅に到着した

という意味になり、どれもが正しく思えてしまいます。

このような場合は空欄の前後に正解を決定するキーワードを探すのですが、その第1歩となるのが他動詞と自動詞の分類です。

[空欄に入るのは他動詞?自動詞?]
The bus from Tokyo (      ) the station early in the morning.

(      )の直後にはthe stationという目的語があるので、空欄には他動詞が入ることになります。なぜなら、自動詞は目的語を必要としないからです。
ここで、4つの選択肢を他動詞/自動詞の視点で分類すると、

[他動詞/自動詞の視点で分類する]
(A) reached他動詞
(B) came自動詞
(C) arrived自動詞
(D) got(『到達』という意味では)自動詞

となります。
他動詞は(A)reachedだけなので、これが正解です。

(B)、(C)、(D)はそれぞれ
come to場所
arrive at
[in]場所
get to
場所
というように前置詞を伴って使われます。

この設問のように選択肢に意味の近い動詞が並んでいる場合は(      )の直後をまずチェックします

『他動詞vs自動詞』では空欄のあとに注目!!
(      )
名詞(      )には他動詞が入る

(      )前置詞名詞(      )には自動詞が入る
(      )
副詞(      )には自動詞が入る
(      )
なし→(      )には自動詞が入る

2.正解候補が2つある場合

選択肢を他動詞/自動詞に分類した結果、正解候補が複数ある場合はさらに別の要素から正解を1つに絞るという流れになります

それでは、正解候補が2つ以上ある場合を練習してみましょう。

[例題2]2012年人文学部(心理人間学科・日本文化学科)
(      )内に入れるのに最も適当なものを、(A)~(D)のうちから一つ選びなさい。
Jim has such a good memory that he can (      ) a poem perfectly after hearing it only once.
(A) address
(B) talk
(C) recite
(D) speak

(A)address(~に話しかける)、(B)talk(話す)、(C)recite(~を暗唱する)、(D)speak(話す)という意味で『話すこと』に関係ある動詞が並んでいますね。

選択肢に意味の近い動詞が並んでいるので、まずは(      )の直後をチェックします。

[目的語があるかをチェックする]
Jim has such a good memory that he can (      ) a poem perfectly after hearing it only once.

a poemという名詞(目的語)が直後に来ているので、(      )には他動詞が入ります。選択肢(A)~(D)を他動詞・自動詞の視点で分類すると、

[他動詞/自動詞の視点で分類する]
(A) address他動詞
(B) talk自動詞
(C) recite他動詞
(D) speak自動詞

speakには他動詞の用法もありますが、その場合の目的語は言語になります。

speak言語「(言語)を話す」
[例] 
She speaks good Japanese.(彼女は日本語を話すのが上手だ)

正解候補となる他動詞が2つありましたね(address/recite)。どちらも文法的には正しいので、設問文の内容を検討して正しいほうを選びます。

[文法的に正しいものを文脈で選別する]
Jim has such a good memory that he can (      ) a poem perfectly after hearing it only once.

(訳)ジムは記憶力が良いので、たった一度聞いた後で完璧に詩を(      )できる

文の内容に最も合うのは(C)recite(~を暗誦する)ですね。これが正解です。

ちなみに(A)addressが目的語にとるものは話しかける対象であって、話す内容ではありません。

[例] A policeman addressed the man politely. (警官がその男にていねいに話しかけた)

このように『他動詞vs自動詞』パターンでは正解候補が複数になることのほうが多いです。このような場合、文法的に正しいものを残して、文脈から適切なものを選びましょう。和訳先行は禁物です。

まとめ

『他動詞vs自動詞』パターンの解き方
1.選択肢を見比べる
選択肢がすべて動詞で(かつ、似たような意味で)ある→まずは他動詞/自動詞の分類で選択肢をしぼる
2.空欄(      )の後の語に注目して他動詞/自動詞の判定をする
(      )名詞(      )には他動詞が入る
(      )前置詞+名詞(      )には自動詞が入る
(      )
副詞(      )には自動詞が入る
(      )
なし→(      )には自動詞が入る

3.正解候補が2つあるときは文の内容にふさわしいものを選ぶ